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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 病理
focally enhanced gastritis
著者: 牛久哲男1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野
ページ範囲:P.736 - P.736
文献購入ページに移動FEGは当初,Crohn病に特異的な胃病変(Crohn病56% vs.対照群0.8%)として報告された1).しかしながらその後の検討では,FEGはCrohn病に特徴的な胃病変であることは確かであるが,潰瘍性大腸炎でも20%前後にみられる胃病変であり(Fig.2),さらにIBD(inflammatory bowel disease)以外の患者でも数%から最大で19%の胃生検でみられたとする報告がなされ,現在では必ずしもCrohn病に特異的な所見ではないと考えられている.非IBD例では臨床的に明らかな胃病変のない健常者例の他,H. pylori(Helicobacter pylori)胃炎,骨髄移植後〔特に移植片対宿主病(graft-versus-host disease ; GVHD)例〕,薬剤性胃炎,CMV胃炎などでもFEGが認められることがある.
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