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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022 病理
胃底腺型腺癌
著者: 八尾隆史1 上山浩也2
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学 2順天堂大学医学部消化器内科学
ページ範囲:P.741 - P.741
文献購入ページに移動GA-FGの定義は,細胞像が胃底腺(主細胞と壁細胞)に類似した細胞から成る腺癌で,pepsinogen IやH+/K+-ATPaseが陽性であることが必須であり,頸部粘液腺〜主細胞に発現するMUC6もほとんどの症例で陽性となる1).通常,表層は非腫瘍性粘膜で覆われ,粘膜深部主体で発育し,小さい病変でも高頻度に粘膜下層に浸潤する(Fig.1)4).臨床病理学的に,胃底腺粘膜領域に発生し,脈管侵襲やリンパ節転移はまれな低異型度・低悪性度の腫瘍である.また,GA-FGはH. pylori(Helicobacter pylori)感染と関係のない胃癌であり,GNAS変異やWnt/β cateninシグナル伝達系の異常を伴い,一般型胃癌とは異なる発癌機序が想定されている5).
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