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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻6号

2022年05月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

S状結腸にみられた特殊な形態を呈したPeutz-Jeghers型ポリープ由来腺腫内癌の1例

著者: 萬春花1 松下弘雄1 吉川健二郎1 田中義人1 加藤文一朗1 田口愛弓1 髙木亮1 橋本大志1 山崎晃汰1 東海林琢男2 榎本克彦2

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター 2秋田赤十字病院病理診断科

ページ範囲:P.851 - P.859

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要旨●患者は40歳代,男性.S状結腸に35mm大の発赤調の有茎性病変を認め,茎部にはSMT様の隆起を伴っていた.拡大観察では発赤部は非腫瘍性腺管領域と腫瘍性腺管領域の混在を認め,一部に不整な腺管構造を認めた.一元的な解釈は困難であったが,腺腫内癌および粘膜下浸潤あるいは粘膜下偽浸潤の可能性があると考えた.内視鏡的切除は可能と判断し診断的治療目的にEMRにて一括切除した.病理診断は,adenocarcinoma in adenoma arising in Peutz-Jeghers type polypと粘液湖形成を伴う粘膜下偽浸潤であった.

参考文献

1)Arima S, Kunimura T, Matsuo K, et al. Solitary Peutz-Jeghers type colorectal polyp with harmartoma-adenoma-carcinoma sequence in a non-Peutz-Jeghers syndrome patient. Showa Univ J Med Sci 22:69-72, 2010
2)菅井有,中村眞一.高分化腺癌を合併した大腸過誤腫性ポリープの1例.病理と臨 22:636-637, 2004
3)加藤文一朗,松下弘雄,東海林琢男,他.Peutz-Jeghers型ポリープ.消内視鏡 32:80-81, 2020
4)渡辺英伸,味岡洋一,西倉健,他.消化管ポリポーシスの病理.胃と腸 35:293-300, 2000
5)Wang ZJ, Ellis I, Zauber P, et al. Allelic Imbalance at the LKB1(STK11)locus in tumours from patients with Peutz-Jeghers' syndrome provides evidence for a hamartoma-(adenoma)-carcinoma sequence. J Pathol 188:9-13, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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