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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻7号

2022年06月発行

文献概要

今月の主題 特殊型胃癌—組織発生と内視鏡診断 主題

希少な特殊型胃癌の内視鏡診断

著者: 吉永繁高1 牧口茉衣1 高丸博之1 阿部清一郎1 野中哲1 鈴木晴久1 斎藤豊1 吉川貴己2 魚住健志13 平井悠一郎13 橋本大輝3 関根茂樹3 小田一郎14

所属機関: 1国立がん研究センター中央病院内視鏡科 2国立がん研究センター中央病院胃外科 3国立がん研究センター中央病院病理診断科 4総合川崎臨港病院内科

ページ範囲:P.949 - P.958

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要旨●特殊型胃癌のうち,特に希少な腺扁平上皮癌,扁平上皮癌,未分化癌,絨毛癌,癌肉腫,浸潤性微小乳頭癌について述べる.いずれも一般的な胃癌と同様に男性に多いが,進行が早いためか進行癌で見つかることが多い.癌肉腫は隆起を呈することが多いが,それ以外は2型,3型のような潰瘍を伴うことが多い.まれなため症例が少なく,進行した状態で見つかることが多いため,初期段階の内視鏡像など不明なことが多く,今後症例が集積されることを期待したい.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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