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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻9号

2022年08月発行

文献概要

今月の主題 胃癌スクリーニングの課題と将来展望 主題

胃がんX線検診における撮影から読影までの精度管理

著者: 安保智典1

所属機関: 1合同会社メディカル・イメージ・コンサルティング

ページ範囲:P.1137 - P.1145

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要旨●日本消化器がん検診学会の新・胃X線撮影法と胃X線検診のための判定区分(カテゴリー分類)は,胃がんX線検診の検査精度管理に主要な役割を果たしている.前者には鉤状胃の微細な粘膜二重造影像を確実に得る方法が示されている.後者は管理区分選択の根拠を良悪性の区別や,悪性所見またはその診断の確信の度合いを6つのカテゴリー(1,2,3a,3b,4,5)選択で示すように考えられており,良性疾患の取り扱いが容易になったことと不確実所見からの拾い上げを区別したことが主な特徴である.特にカテゴリー3b比率は検査精度管理に有用である.また,認定専門放射線技師による読影補助制度は読影体制の維持に寄与することが期待される.加えて,商業ベースで導入が進んでいる遠隔読影は精度管理の実態把握と利用に関する指針作成が急務である.

参考文献

1)日本消化器集団検診学会胃X線撮影法標準化委員会(編).新・胃X線撮影法(関節・直接)ガイドライン.メディカルレビュー社,2005
2)日本消化器がん検診学会胃がん検診精度管理委員会(編).新・胃X線撮影法ガイドライン改訂版(2011年).日本消化器がん検診学会,2011
3)日本消化器がん検診学会胃がん検診精度管理委員会.胃X線検診のための読影判定区分.日消がん検診誌 54:73-76, 2016
4)中原慶太,水町寿伸.定形胃の統計学的分析,胃X線撮影法虎の巻,羊土社,pp 204-208, 2019
5)加藤勝章,千葉隆士,島田剛延,他.胃X線検診のための読影判定区分(カテゴリー分類)を用いた胃X線読影の精度評価に関する検討.日消がん検診誌 56:479-489, 2018
6)日本消化器がん検診学会,胃がん検診精度管理委員会,胃X線検診の読影基準に関する研究会(編).胃X線検診のための読影判定区分アトラス.南江堂,2017
7)伊藤高広,安田貢.H. pylori感染胃炎のX線診断について.日本消化器がん検診学会(編).南江堂,pp 76-82, 2017
8)千葉隆士,加藤勝章,只野敏浩,他.読影判定区分カテゴリー3bから発見された胃がんの臨床病理学的特徴と画像評価に関する検討.日消がん検診誌 58:320-330, 2020
9)西川孝,安田鋭介,渡邉真也,他.胃X線像における診療放射線技師と医師によるカテゴリー判定の精度に関する検討.日消がん検診誌 59:31-40, 2021
10)日本消化器がん検診学会胃癌精度管理委員会.胃X線検診読影補助のための読影判定区分の運用指針.日消がん検診誌 58:290-299, 2020
11)西川孝,安田鋭介,渡邉真也,他.多施設共同研究によるカテゴリー区分を用いた胃X線像の読影経験歴と判定精度の相関性.日消がん検診誌 59:20-30, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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