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文献詳細

雑誌文献

胃と腸57巻9号

2022年08月発行

文献概要

今月の主題 胃癌スクリーニングの課題と将来展望 主題

内視鏡検診における撮影法の統一と二次読影の重要性

著者: 依光展和1 入口陽介1 小田丈二1 水谷勝2 冨野泰弘1 山里哲郎2 園田隆賀3 金田義弘1 安藤早弥1 岸大輔1 安川佳美1 霧生信明1 中河原亜希子1 橋本真紀子1 山村彰彦4 細井董三1

所属機関: 1東京都立病院機構東京都立がん検診センター消化器内科 2東京都立病院機構東京都立荏原病院消化器内科 3熊本大学病院消化器内科 4東京都立病院機構東京都立がん検診センター検査科

ページ範囲:P.1146 - P.1154

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要旨●対策型内視鏡検診の精度向上を目的として検討を行った.検討①では,当センターの胃部内視鏡観察37枚法(胃部37枚法)について,3年以内の経年発見胃癌326病変の早期癌率は94.5%,粘膜内癌率は79.8%と既報と比べても良好な成績であった.粘膜下層以深に浸潤していた66病変の前回内視鏡画像を検討すると,観察不良8病変:診断不良29病変:診断困難29病変で,約半数は二次読影があれば指摘されうる病変であった.検討②では,胃部37枚法を導入し,当センターが二次読影を行ったS自治体の内視鏡検診について検討した.結果としてプロセス指標は良好で,二次読影の画像評価は後期で有意に改善した.撮影部位と順序を規定した連続性のある撮影法は,内視鏡検診の二次読影を効率化し精度向上に寄与しうると考えられる.

参考文献

1)厚生労働省.がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針.2016 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000111662.pdf(2022年6月30日閲覧)
2)細井董三(編),東京都多摩がん検診センター消化器科.見逃さない・見落とさないスタンダード胃内視鏡検査.医学書院,2009
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4)依光展和,入口陽介,小田丈二,他.胃部内視鏡観察37枚法の現状と経年発見SM2以深浸潤癌の特徴.Prog Dig Endosc 93:28-34, 2018
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10)幸田隆彦,古田隆久,吉川裕之,他.浜松市医師会における対策型胃内視鏡検診の現状.胃と腸 53:1090-1099, 2018
11)羽柴厚,鍛冶恭介,大野健次,他.金沢市における対策型胃内視鏡検診の現状.胃と腸 53:1100-1110, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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