文献詳細
増大号 「胃と腸」式 読影問題集2023 応用と発展—考える画像診断が身につく
小腸 8 Cases
Case 1
著者: 大宮直木1 稲熊岳2 塚本徹哉3
所属機関: 1藤田医科大学医学部先端光学診療学 2藤田医科大学医学部総合消化器外科学 3藤田医科大学医学部病理診断学
ページ範囲:P.1338 - P.1341
文献概要
60歳代,男性.主訴:暗赤色便,腹痛・鮮血便.既往歴・既存症:大腸憩室出血,一過性脳虚血発作,早期胃癌(腹腔鏡下幽門側胃切除後),前立腺癌(ロボット支援前立腺全摘術後),右鼠径ヘルニア(メッシュ修復術後),脂質異常症,花粉症.現病歴:20XX年1月に暗赤色便で緊急入院.採血でHb 11.7g/dLの軽度な貧血を指摘された.腹部造影CTで骨盤部正中の小腸に造影される壁肥厚部位を認めたものの,その後血便は消失した.アスピリンとシロスタゾールを内服中であったが,以後はアスピリンのみ内服.入院時に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性であったため,さらなる精査はせずに退院となった.退院後に施行した小腸カプセル内視鏡所見は異常なし.20XX年9月に腹痛,鮮血便にて緊急再入院した.採血でHb 13.3g/dLの軽度な貧血を指摘され,腹部造影CT,小腸X線造影検査,経肛門的ダブルバルーン小腸内視鏡(double-balloon enteroscopy ; DBE)を施行した.
参考文献
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