icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸58巻10号

2023年10月発行

増大号 「胃と腸」式 読影問題集2023 応用と発展—考える画像診断が身につく

大腸 14 Cases

Case 14

著者: 松田圭二12 菊地良直3

所属機関: 1帝京大学医学部外科 2同愛記念病院外科 3帝京大学医学部病理学講座

ページ範囲:P.1422 - P.1425

文献概要

臨床情報 
60歳代,男性.主訴:腹痛.既往歴:うつ病,前立腺肥大,くも膜下出血.現病歴:20XX年に腹痛を主訴に前医に入院した.便培養は陰性.絶食,抗菌薬治療を行うが軽快しなかった.入院中の腹部単純X線像(Fig.1)と注腸X線造影像(Fig.2)を示す.ロングチューブを挿入するが軽快せず,入院57日目に当院へ搬送となった.搬送時検査:白血球数 14,900/μL,ヘモグロビン8.6g/dL,血小板数25.4万/μL,CRP 16.23mg/dL,CEA 1.9ng/mL,CA19-9 10.6U/mL.臨床経過:転院日に骨盤造影CT検査を行い(Fig.3),同日に緊急手術となった.S状結腸を中心に腸管,腸間膜,脂肪垂が非常に硬く,横行結腸人工肛門造設術を施行した(Fig.4).プレドニゾロン(prednisolone ; PSL)60mg/dayを開始し,手術14日後に血便がみられたため,同日に大腸内視鏡検査(Fig.5)を行った.手術51日後に退院となった.手術7か月後の注腸X線造影像(Fig.6)と内視鏡像(Fig.7)を示す.

参考文献

1)Flaherty MJ, Lie JT, Haggitt RC. Mesenteric inflammatory veno-occlusive disease. A seldom recognized cause of intestinal ischemia. Am J Surg Pathol 18:779-784, 1994
2)Lie JT. Mesenteric inflammatory veno-occlusive disease(MIVOD):an emerging and unsuspected cause of digestive tract ischemia. Vasa 26:91-96, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら