文献詳細
増大号 「胃と腸」式 読影問題集2023 応用と発展—考える画像診断が身につく
大腸 14 Cases
文献概要
臨床情報
60歳代,男性.主訴:腹痛.既往歴:うつ病,前立腺肥大,くも膜下出血.現病歴:20XX年に腹痛を主訴に前医に入院した.便培養は陰性.絶食,抗菌薬治療を行うが軽快しなかった.入院中の腹部単純X線像(Fig.1)と注腸X線造影像(Fig.2)を示す.ロングチューブを挿入するが軽快せず,入院57日目に当院へ搬送となった.搬送時検査:白血球数 14,900/μL,ヘモグロビン8.6g/dL,血小板数25.4万/μL,CRP 16.23mg/dL,CEA 1.9ng/mL,CA19-9 10.6U/mL.臨床経過:転院日に骨盤造影CT検査を行い(Fig.3),同日に緊急手術となった.S状結腸を中心に腸管,腸間膜,脂肪垂が非常に硬く,横行結腸人工肛門造設術を施行した(Fig.4).プレドニゾロン(prednisolone ; PSL)60mg/dayを開始し,手術14日後に血便がみられたため,同日に大腸内視鏡検査(Fig.5)を行った.手術51日後に退院となった.手術7か月後の注腸X線造影像(Fig.6)と内視鏡像(Fig.7)を示す.
60歳代,男性.主訴:腹痛.既往歴:うつ病,前立腺肥大,くも膜下出血.現病歴:20XX年に腹痛を主訴に前医に入院した.便培養は陰性.絶食,抗菌薬治療を行うが軽快しなかった.入院中の腹部単純X線像(Fig.1)と注腸X線造影像(Fig.2)を示す.ロングチューブを挿入するが軽快せず,入院57日目に当院へ搬送となった.搬送時検査:白血球数 14,900/μL,ヘモグロビン8.6g/dL,血小板数25.4万/μL,CRP 16.23mg/dL,CEA 1.9ng/mL,CA19-9 10.6U/mL.臨床経過:転院日に骨盤造影CT検査を行い(Fig.3),同日に緊急手術となった.S状結腸を中心に腸管,腸間膜,脂肪垂が非常に硬く,横行結腸人工肛門造設術を施行した(Fig.4).プレドニゾロン(prednisolone ; PSL)60mg/dayを開始し,手術14日後に血便がみられたため,同日に大腸内視鏡検査(Fig.5)を行った.手術51日後に退院となった.手術7か月後の注腸X線造影像(Fig.6)と内視鏡像(Fig.7)を示す.
参考文献
1)Flaherty MJ, Lie JT, Haggitt RC. Mesenteric inflammatory veno-occlusive disease. A seldom recognized cause of intestinal ischemia. Am J Surg Pathol 18:779-784, 1994
2)Lie JT. Mesenteric inflammatory veno-occlusive disease(MIVOD):an emerging and unsuspected cause of digestive tract ischemia. Vasa 26:91-96, 1997
掲載誌情報