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雑誌目次

雑誌文献

胃と腸58巻2号

2023年02月発行

雑誌目次

今月の主題 鋸歯状病変関連の早期大腸癌 序説

鋸歯状病変関連の早期大腸癌

著者: 田中信治

ページ範囲:P.119 - P.120

 早期大腸癌の組織発生,発育・進展にはさまざまな機序がある.sporadicな発癌,adenoma-carcinoma sequence,de novo pathway,serrated neoplastic pathway,そして,炎症性腸疾患を背景とした炎症性発癌である.その中で,近年の臨床病理学的および分子病理学的解析に基づくエビデンスの蓄積により,今まで不明な点が多かったserrated neoplastic pathwayが徐々に明らかになってきている1).一方,serrated neoplastic pathwayに基づく癌化の頻度は高くないことから,鋸歯状病変に対する内視鏡的治療介入の是非については諸家の報告により異なる.しかし,鋸歯状病変の癌化例では,早期癌の段階で発見されても,既に粘膜下層浸潤を来している場合が少なくないことも事実である.そこで,大腸鋸歯状病変の癌化例,特にSSL(sessile serrated lesion)の癌化に焦点を当てて,臨床・分子病理学的特徴,内視鏡診断・治療上の注意点を明らかにすることを目的とし,本特集号は企画された.
 歴史をひもとくと,大腸鋸歯状病変が注目を浴びてきたのは,ここ十数年のことである.今回焦点を当てたSSLは,これまで,SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)と呼称されていたが,2019年にWHOにより大腸鋸歯状病変に対する新たな分類と病理診断基準が提唱された.それにより,①HP(hyperplastic polyp, microvesicular and goblet cell rich subtype),②SSL,③sessile serrated lesion with dysplasia,④TSA(traditional serrated adenoma),⑤unclassified serrated adenomaに分類され,SSLという用語で統一された2).SSLは遺伝子学的にも,経過例からもMSI(microsatellite instability)陽性大腸癌の前駆病変として,臨床的にはその存在診断,質的診断から治療の是非までが論議されている.本邦の大腸腫瘍の取り扱いの指針である「大腸癌取扱い規約 第9版」(2018年発刊)3)では,現在,“sessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)”と記載され,“腫瘍”には分類されておらず,“腫瘍様病変”の項目に置かれているが,次の改訂でWHOの基準(2019)2)に準じて改訂される予定である.

主題

癌併存大腸SSLの病理診断と分子異常

著者: 菅井有 ,   上杉憲幸

ページ範囲:P.121 - P.128

要旨●SSLDはMSI陽性大腸癌の前駆病変として注目されてきた.しかしながら,これまでその病理組織学的な内容や分子異常については十分に明らかにされてこなかった.本稿ではSSLDの代表的な2つの病理組織学的分類と分子異常について述べる.1つ目はLiuらの分類で,SSLDをminimal deviation dysplasia,serrated dysplasia,adenomatous dysplasia,dysplasia not otherwise specifiedの4型に分類する.2つ目はCenajらの分類でSSLDをintestinal dysplasiaとserrated dysplasiaの2型に分類する.WHO分類では後者を採用しているが,これにhypermucinous changeを加えている.dysplasiaについて,欧米では粘膜内癌をhigh-grade dysplasiaとして扱っているが,本邦の病理診断においては伝統的にdysplasiaとせずに粘膜内癌と診断されている.SSLDの本邦での使用については“粘膜内癌”と“癌とは診断されない異型病変”を分けて診断することが内視鏡診断との整合性を考えるうえで重要と思われる.SSLDの分子異常についてはmismatch repair-deficient(75%)経路とmismatch repair-proficient(25%)経路に分類される.Wntシグナル経路の異常とp16の不活化は両者に共通する異常であるが,TP53変異は後者の異常と密接に関連している.これらのシグナル経路と病理診断との関連性を明らかにすることが今後の課題として重要である.

癌併存大腸SSLの内視鏡診断—通常内視鏡の立場から

著者: 川崎啓祐 ,   梅野淳嗣 ,   鳥巣剛弘 ,   永塚真 ,   蔵原晃一 ,   大城由美 ,   江頭信二郎 ,   梁井俊一 ,   鳥谷洋右 ,   川床慎一郎 ,   松野雄一 ,   冬野雄太 ,   藤岡審 ,   森山智彦 ,   菅井有 ,   松本主之

ページ範囲:P.129 - P.134

要旨●過去13年間に当科および関連施設にて診断された癌併存大腸SSL 17例を対象とし,病理組織学的所見と対比可能であったSSLと癌の領域の内視鏡所見を遡及的に比較検討した.その結果,癌領域はSSL領域に比べ,発赤(癌領域64.7%/SSL領域0%,p<0.05),結節・顆粒状隆起(癌領域64.7%/SSL領域5.9%,p<0.05)が多くみられた.一方でSSL領域の色調は全例で同色調,ないし褪色調を呈した(癌領域35.3%/SSL領域100%,p<0.05).以上より発赤,結節・顆粒状隆起の存在が癌併存SSLにおける癌領域の特徴的な所見であり,癌併存大腸SSLは通常内視鏡で診断できる可能性が示唆された.

癌併存大腸SSLの内視鏡診断—色素拡大内視鏡観察の立場から

著者: 山野泰穂 ,   吉井新二 ,   久保俊之 ,   山川司 ,   三宅高和 ,   風間友江 ,   柴田泰洋 ,   三橋慧 ,   須藤豪太 ,   赤保内正和 ,   瀧澤歩 ,   山本英一郞 ,   仲瀬裕志

ページ範囲:P.135 - P.145

要旨●近年,大腸鋸歯状病変,特にSSLは第3の大腸癌への発育進展ルート“serrated neoplastic pathway”として注目されており,癌あるいは癌を疑う所見を伴うSSLに対して的確に内視鏡診断することが重要である.当科にて経験したSSL関連病変115病変の検討で,癌併存SSL病変,SSLD病変とそれ以外の病変群とで拡大内視鏡所見を比較検討した.その結果,癌併存SSL病変では複数のpit patternから構成されており,開II型を背景に軽度から高度異型を示すVI型を必ず伴っていたのに対して,SSLDでは鋸IV型,IIIL型が混在しており,明確なVI型の判断はなされていなかった.なお,大腸鋸歯状病変に対する内視鏡診断では拡大内視鏡診断の考え方,病理組織標本の取り扱いや病理組織学的診断基準などの要因による影響を受けるため注意を要する.

癌併存大腸SSLの内視鏡診断—画像強調観察の立場から:NBIの立場から

著者: 斎藤彰一 ,   河内洋 ,   池上雅博 ,   森田祐規 ,   小林輝 ,   十倉淳紀 ,   鈴木桂悟 ,   安江千尋 ,   井出大資 ,   千野晶子 ,   五十嵐正広 ,   藤井有里 ,   玉井尚人 ,   中尾裕

ページ範囲:P.146 - P.158

要旨●癌併存大腸SSLについて,過去10年間に当院他で内視鏡的もしくは外科的切除された44病変を対象にNBI非拡大観察,拡大観察における特徴所見を検討した.発生部位は90%以上(40/44病変)が右側結腸であった.また平均腫瘍径は深達度別の差がなく,いずれも20mm前後であった.NBI非拡大所見では病変部全域に粘液が付着したred cap signを呈する病変が79.5%(35/44病変)でみられた.また癌化部位の肉眼型を隆起型と陥凹型に分け,その癌化部位が病変の中心部か辺縁部かも検討したところ.肉眼型では95.5%(42/44病変)と大部分で隆起型を呈し,癌化部位は79.5%(35/44病変)で病変辺縁部に認められた.NBI拡大観察ではSSLの特徴的所見とされている腺管開口部の開大所見(II-d pit)が95.5%(42/44病変)で認められた.また,JNET分類に基づく比較では,95.5%(42/44病変)で腫瘍性変化が確認でき,通常型の腺癌と同様に,深達度に応じて血管および表層の腺管構造に違いを認めた.以上から,NBI観察で病変の拾い上げおよびSSL由来の癌化病変の認識,深達度診断まで可能と結論付けられた.

癌併存大腸SSLの内視鏡診断—画像強調観察の立場から:LCI観察

著者: 村上敬 ,   樺映志 ,   粟津崇仁 ,   野村慧 ,   黒澤太郎 ,   芳賀慶一 ,   福嶋浩文 ,   竹田努 ,   澁谷智義 ,   八尾隆史 ,   永原章仁

ページ範囲:P.159 - P.168

要旨●本稿では,dysplasiaまたは癌併存大腸SSLの臨床病理学的特徴,内視鏡的特徴,特にLCIの所見ついて概説する.臨床病理学的には,SSL由来の大腸癌は腺腫由来の癌とは異なる組織学的特徴を示し,脈管侵襲やリンパ節転移が高頻度であり,より高悪性度の癌へと進展していく可能性が示唆される.内視鏡所見では,①(亜)有茎性,②二段隆起,③陥凹,④発赤の4つの所見が重要である.富士フイルム社製のLCIは,白色光で画面の明るさを保ちながら,重ねて照射される狭帯域光で粘膜のわずかな色の違いを強調した画像を表示する画像強調内視鏡である.LCIは白色光よりもSSLに併存する発赤調の癌またはdysplasiaの視認性を向上させ,癌併存SSLの診断に寄与する可能性がある.

癌併存大腸SSLの内視鏡診断—超拡大内視鏡観察の立場から

著者: 小川悠史 ,   工藤進英 ,   三澤将史 ,   神山勇太 ,   望月健一 ,   佐藤雄太 ,   ,   櫻井達也 ,   前田康晴 ,   林武雅 ,   若村邦彦 ,   宮地英行 ,   澤田成彦 ,   馬場俊之 ,   石田文生 ,   根本哲生

ページ範囲:P.170 - P.178

要旨●超拡大内視鏡(EC)は,腺腔と核を最大520倍率まで可視化し,生体内で顕微鏡レベルの核異型や構造異型の診断を可能にしたデバイスである.癌併存SSLは構造異型および核異型を認めるため,ECを用いることで高い精度の診断が期待される.今回,筆者らはEC観察後に切除されたSSLおよび癌併存SSLを対象に内視鏡所見,特にEC所見について検討した.その結果,通常内視鏡観察において平坦病変の一部に陥凹または隆起を認め,EC観察においてSSLを示唆する腺腔の開大所見,および腫瘍を示唆するEC2またはEC3の所見が観察される症例では,癌併存SSLを強く疑い積極的に切除することが望ましいと考えられた.

早期癌併存大腸SSLに対する内視鏡治療の注意点

著者: 岸田圭弘 ,   堀田欣一 ,   今井健一郎 ,   伊藤紗代 ,   髙田和典 ,   小野裕之

ページ範囲:P.179 - P.188

要旨●早期癌併存大腸SSLの内視鏡治療適応を判断し,適切な切除方法を選択するためには,内視鏡的質的診断,癌併存病変の内視鏡的深達度診断,内視鏡治療成績,そして病理組織学的診断に基づく治癒切除判定の各段階についての知見が必要である.今回,SSLDと早期癌併存SSLを対象とし,深達度診断と治療成績について検討した.深達度診断では,pT1b癌併存SSLでもJNET Type 3やVI型高度不整pit patternなどの典型的所見がみられないことが診断を難しくすると考えられたが,浸潤癌(pT1a/pT1b)の診断においてはJNET Type 2B/3,VI型pit pattern,non-lifting signが有用であった.治療成績では,スネア切除には分割切除例がある一方,ESDは全例で一括切除が可能であった.分割切除は内視鏡診断SSL例とnon-lifting sign陽性例に多く,明らかなdysplasiaや癌併存を疑う所見がなくても,non-lifting signが陽性の場合はESDを行うことが望ましいと考えられた.

主題研究

SSLの癌への発育進展

著者: 加藤文一朗 ,   松下弘雄 ,   吉川健二郎 ,   田中義人 ,   萬春花 ,   田口愛弓 ,   橋本大志 ,   山崎晃汰 ,   髙木亮 ,   山田宗玄 ,   東海林琢男 ,   榎本克彦 ,   菅井有 ,   山野泰穂 ,   鈴木拓

ページ範囲:P.189 - P.198

要旨●大腸鋸歯状病変のうちSSA/PはWHO分類(2010年)でSSA/P with cytological dysplasiaとして悪性化ポテンシャルを有することが明記された.その後,WHO分類(2019年)ではSSA/Pの名称はなくなり,代わりにSSLという名称が加わった.WHO分類(2019年)では名称だけではなく,病理組織学的診断基準も旧分類と若干異なり,臨床的な取り扱いはもちろん病理組織学的な取り扱いについても混沌としている.今回,当センターで経過観察しえたSSA/P関連病変を提示し,SSA/Pの癌への発育進展について考察した.経過観察中に変化を来さない病変が存在する一方で,段階的な変化を認め癌の診断となった病変が存在した.変化を来した症例ではdysplasiaの特徴とされる発赤や二段隆起に先駆けてpit patternの変化を認識できる可能性があり,SSA/Pの発育進展を内視鏡で捉えるためには,拡大内視鏡による詳細かつ丁寧な観察を行う必要性があると考えられた.

ノート

鋸歯状腺癌の定義と臨床病理学的特徴

著者: 八尾隆史 ,   門松雄一朗 ,   村上敬

ページ範囲:P.199 - P.203

要旨●大腸の鋸歯状腺癌はWHO分類に記載されているが,その診断基準が問題である.Mäkinenは8つの特徴的所見による鋸歯状腺癌の定義を提唱しているが,この定義に従った症例を用いた報告においても,さまざまな鋸歯状構造を示す腺癌が含まれているようで,悪性度や予後,分子生物学的特徴も報告により一定でない.鋸歯状腺癌は一つの組織亜型として意義があるように思われるが,比較的簡便で客観的な病理診断基準の確立が今後の課題である.

鋸歯状病変と腸内細菌の関係

著者: 福井広一 ,   富田寿彦 ,   大島忠之 ,   新崎信一郎

ページ範囲:P.204 - P.206

要旨●serrated pathwayではBRAF変異,CIMP,MSI,MLH1メチル化などの遺伝子異常が特徴的であり,大腸癌組織においてF. nucleatumの存在とそれらの遺伝子異常に相関関係が認められることから,F. nucleatumが大腸鋸歯状病変の発生や発育・進展において重要な役割を果たしている可能性がある.F. nucleatumはFadAを介して大腸上皮細胞のE-cadherinに結合したりTLR4を刺激するなどしてβ-cateninの核内移行を促進し,細胞増殖作用を示す.他方,大腸癌細胞に結合したF. nucleatum はNK細胞やT細胞に発現するTIGITに結合してそれらの腫瘍攻撃作用を抑制する.F. nucleatumが前述の遺伝子異常を惹起して大腸鋸歯状病変を発生させる機序は解明されていないが,その発育・進展に関与しているのは明らかと考えられる.

主題症例

TSA由来の早期大腸癌の1例

著者: 村上敬 ,   八尾隆史 ,   立之英明 ,   樺映志 ,   粟津崇仁 ,   野村慧 ,   黒澤太郎 ,   芳賀慶一 ,   福嶋浩文 ,   澁谷智義 ,   永原章仁

ページ範囲:P.207 - P.214

要旨●TSA由来の早期大腸癌の症例を報告する.患者は70歳代,男性.スクリーニング目的の大腸内視鏡検査で,直腸S状部に松毬様の周囲と同色調で一部発赤調を呈する12mm大の0-Ip型病変を認めた.拡大内視鏡では,IV型pit patternの中に通常の腺腫とは異なるVI型軽度不整pit patternを認め,EMRを施行した.病理組織学的にはTSAの中に粘膜内に限局する高分化管状腺癌を認めた.また,病変基部にmicrovesicular typeの過形成性ポリープを認めた.免疫組織化学的には,TSA部,癌部ともにMUC2陽性,MUC6陰性,CD10陰性,TSA部はMUC5AC陰性で腸型粘液形質を示したが,癌部はMUC5AC陽性の胃腸混合型粘液形質を示した.また,癌部でβ-catenin核内発現とp53蛋白発現の完全消失を示した.遺伝子解析ではBRAF変異陽性,MSSを認めた.

serrated polyposis syndromeに合併した粘膜下層浸潤を呈した早期大腸癌の1例

著者: 森田祐規 ,   中野薫 ,   高松学 ,   十倉淳紀 ,   鈴木桂悟 ,   安江千尋 ,   井出大資 ,   千野晶子 ,   五十嵐正広 ,   斎藤彰一 ,   河内洋

ページ範囲:P.215 - P.221

要旨●患者は60歳代,女性.SPS経過観察目的に施行した大腸内視鏡検査で,下行結腸に約15mm大の0-IIa+IIc型病変を認めた.病変中心部に隆起および発赤を認め,隆起部に陥凹面を伴っていた.NBI併用拡大観察では,表面構造の消失,著明に拡張し屈曲蛇行する血管を認め,JNET Type 2Bと診断した.色素拡大観察では,腺管開口部の内腔狭小化,辺縁不整,輪郭不明瞭が認められ,VI型高度不整pitが最も近いと判断した.粘膜下層(SM)深部浸潤の可能性も考えられたが,小病変であるため診断目的にEMRでの一括切除を行った.病理組織像は,隆起辺縁部ではSSL,隆起部では中分化〜高分化管状腺癌であり,600μmのSM浸潤を来していた.本症例は,SPSに合併したSM浸潤を伴う早期大腸癌と考えられた.

早期胃癌研究会症例

悪性リンパ腫との鑑別を要した胃梅毒の1例

著者: 今津愛介 ,   平川克哉 ,   大草響 ,   末永文彦 ,   野村亜貴子 ,   近藤雅浩 ,   工藤哲司 ,   青柳邦彦 ,   西山憲一 ,   鳥巣剛弘

ページ範囲:P.222 - P.228

要旨●患者は50歳代,男性.20XX年8月より心窩部痛,嘔気,体重減少が出現し,当院へ紹介となった.上部消化管X線造影検査では前庭部から胃体部に辺縁の毛羽立ちと粗糙な粘膜像を認め,EGDでは前庭部から胃体部に不整形のびらんや潰瘍が多発していた.当初は胃MALTリンパ腫を疑ったが,風俗店の利用歴と梅毒血清反応陽性であったため胃生検組織の抗T. pallidum抗体染色を行い,胃梅毒と診断した.ペニシリン,アモキシシリンによる駆梅療法を行った結果,速やかに軽快した.近年,梅毒感染症の増加が報告されており,消化器領域の日常診療でも胃梅毒に注意すべきである.

早期胃癌研究会

2022年2月の例会から

著者: 吉村大輔 ,   永田信二

ページ範囲:P.229 - P.233

 2022年2月の早期胃癌研究会は,2月16日(水)にオンラインにて行われた.司会は吉村(九州医療センター消化器内科)と永田(広島市立北部医療センター安佐市民病院内視鏡内科),病理を下田(東京慈恵会医科大学病理学講座)が担当した.忘れられない1例シリーズのレクチャーでは「胃限局型若年性ポリポーシス」を藤原(九州医療センター検査科病理・病理診断科)が担当した.

第22回臨床消化器病研究会

「消化管の部」の主題2 炎症性腸疾患(IBD)のレビュー

著者: 平井郁仁 ,   猿田雅之

ページ範囲:P.234 - P.236

 2022年7月30日(土)に第22回臨床消化器病研究会がオンラインにて開催された.「消化管の部」と「肝胆膵の部」に分かれ,「消化管の部」では主題1.消化管癌(形態学):下部消化管「腸管非上皮性腫瘍の鑑別」,主題2.炎症性腸疾患(IBD)「症例から学ぶ炎症性腸疾患(Season 5)」,主題3.機能「内視鏡で診る消化管疾患の病態・機能評価」,主題4.消化管癌(形態学):上部消化管「自己免疫性胃炎(AIG)現状と展望」の4セッションが行われた.

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目次

ページ範囲:P.117 - P.117

欧文目次

ページ範囲:P.118 - P.118

リニューアルのご案内

ページ範囲:P.115 - P.115

バックナンバー・定期購読のご案内

ページ範囲:P.116 - P.116

「今月の症例」症例募集

ページ範囲:P.221 - P.221

早期胃癌研究会 症例募集

ページ範囲:P.233 - P.233

次号予告

ページ範囲:P.238 - P.238

編集後記

著者: 江﨑幹宏

ページ範囲:P.239 - P.239

 「胃と腸」誌では,本号を含めて過去約10年間で計4回の大腸鋸歯状病変に関連する特集号が組まれている.このうち,大腸鋸歯状病変の癌化に焦点を当てた特集号は2011年4月号(46巻4号)に続き,今回が2回目となった.
 前回号は,大腸鋸歯状病変の病理診断基準の確立と癌化の危険性を評価するために,臨床的,病理学的,分子生物学的特徴を明らかにすることをねらいとして企画されていた.しかしながら,当時はまだSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)の病理学的診断基準が病理医間で十分に統一されておらず,癌化のリスクを論じるには診断基準の統一とさらなる症例集積が必要であることを鶴田修先生が編集後記で述べられていた.

奥付

ページ範囲:P.240 - P.240

基本情報

胃と腸

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1219

印刷版ISSN 0536-2180

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