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今月の主題 鋸歯状病変関連の早期大腸癌 序説
鋸歯状病変関連の早期大腸癌
著者: 田中信治1
所属機関: 1広島大学大学院医系科学研究科内視鏡医学
ページ範囲:P.119 - P.120
文献購入ページに移動歴史をひもとくと,大腸鋸歯状病変が注目を浴びてきたのは,ここ十数年のことである.今回焦点を当てたSSLは,これまで,SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)と呼称されていたが,2019年にWHOにより大腸鋸歯状病変に対する新たな分類と病理診断基準が提唱された.それにより,①HP(hyperplastic polyp, microvesicular and goblet cell rich subtype),②SSL,③sessile serrated lesion with dysplasia,④TSA(traditional serrated adenoma),⑤unclassified serrated adenomaに分類され,SSLという用語で統一された2).SSLは遺伝子学的にも,経過例からもMSI(microsatellite instability)陽性大腸癌の前駆病変として,臨床的にはその存在診断,質的診断から治療の是非までが論議されている.本邦の大腸腫瘍の取り扱いの指針である「大腸癌取扱い規約 第9版」(2018年発刊)3)では,現在,“sessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)”と記載され,“腫瘍”には分類されておらず,“腫瘍様病変”の項目に置かれているが,次の改訂でWHOの基準(2019)2)に準じて改訂される予定である.
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