文献詳細
増大号 「胃と腸」式 読影問題集2023 基本と応用—考える画像診断が身につく
咽頭・食道 9 Cases
文献概要
臨床情報
70歳代,女性.主訴:食事時のつかえ感.既往歴:特記すべきものなし.現病歴:3か月来の主訴のため近医より内視鏡検査目的に201X年9月,当院に紹介され受診となった.検査・臨床経過:201X年9月に上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy ; EGD)・ブジー,食道X線造影検査(約3週間後),201X年10月にEGD/再拡張術,薬物療法,201X年12月にEGDを施行した.初診後の内視鏡検査では汎用内視鏡が通過せず(Fig.1a),経鼻用の細径内視鏡に変更して再挿入を行った(Fig.1b).後日ブジーを行い,約1か月後に汎用内視鏡を用いて挿入・観察を行ったのがFig.1c,dである.頸部食道付近〜胸部上部食道に大小の陥凹が多数観察された.また,胸部中部食道より肛門側には,厚い白色調付着物が認められ,水洗しても脱落しなかった.ブジー後に撮像した食道X線造影像(第1斜位)をFig.2に示す.治療後に施行した内視鏡像(初診時より約3か月後)をFig.3に示す.
70歳代,女性.主訴:食事時のつかえ感.既往歴:特記すべきものなし.現病歴:3か月来の主訴のため近医より内視鏡検査目的に201X年9月,当院に紹介され受診となった.検査・臨床経過:201X年9月に上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy ; EGD)・ブジー,食道X線造影検査(約3週間後),201X年10月にEGD/再拡張術,薬物療法,201X年12月にEGDを施行した.初診後の内視鏡検査では汎用内視鏡が通過せず(Fig.1a),経鼻用の細径内視鏡に変更して再挿入を行った(Fig.1b).後日ブジーを行い,約1か月後に汎用内視鏡を用いて挿入・観察を行ったのがFig.1c,dである.頸部食道付近〜胸部上部食道に大小の陥凹が多数観察された.また,胸部中部食道より肛門側には,厚い白色調付着物が認められ,水洗しても脱落しなかった.ブジー後に撮像した食道X線造影像(第1斜位)をFig.2に示す.治療後に施行した内視鏡像(初診時より約3か月後)をFig.3に示す.
参考文献
1)江副康正,武藤学,藤井誠志.食道epidermizationの2例.胃と腸 43:296-300, 2008
2)岩上裕吉,石原立,河野光泰,他.食道良性腫瘍および腫瘍様病変の診断—過角化,錯過角化,表皮化.胃と腸 55:282-285, 2020
3)Singhi AD, Arnold CA, Crowder CD, et al. Esophageal leukoplakia or epidermoid metaplasia:a clinicopathological study of 18 patients. Mod Pathol 27:38-43, 2014
掲載誌情報