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文献詳細

雑誌文献

胃と腸58巻4号

2023年04月発行

増大号 「胃と腸」式 読影問題集2023 基本と応用—考える画像診断が身につく

全消化管 3 Cases

Case 2

著者: 我妻康平1 柴田泰洋12 仲瀬裕志1

所属機関: 1札幌医科大学医学部消化器内科学講座 2恵佑会第2病院消化器内科

ページ範囲:P.582 - P.585

文献概要

臨床情報 
80歳代,女性.主訴は発熱,下痢,腹痛.既往歴は甲状腺機能低下症.20XX年12月に発熱や左膝の発赤と腫脹に対し,前医にて抗菌薬治療やステロイド治療が行われた.治療中に下痢が出現し,大腸内視鏡検査(colonoscopy ; CS)を行った.確定診断に至らないものの,潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)を考え,5-ASA(5-aminosalicylic acid)製剤が開始となり,下痢は改善傾向となった.20XX+1年6月に薬剤性皮疹がみられたため,5-ASA製剤を中止した.同年10月に37℃台の発熱,下痢の再燃,腹部全体の腹痛を認めた.血液検査では,WBC 6,100/μl,Hb 10.9g/dl,CRP 8.11mg/dl,血清アミロイドA蛋白(serum amyloid A protein ; SAA)962.4μg/mlであった.前医にてCSの再検(Fig.1)と腹部単純CTを行った(Fig.2).

参考文献

1)「自己炎症性疾患とその類縁疾患の診断基準,重症度分類,診療ガイドライン確立に関する研究」班.自己炎症性疾患とその類縁疾患の診断基準,重症度分類,診療ガイドライン確立に関する研究.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業.2015
2)仲瀬裕志.MEFV遺伝子関連腸炎.日消誌 119:210-216, 2022
3)Agin M, Tumgor G, Kont A, et al. Endoscopic findings in patients with familial Mediterranean fever and dyspeptic symptoms. Prz Gastroenterol 13:234-241, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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