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今月の主題 壁内局在からみた胃上皮下腫瘍の鑑別診断 序説
壁内局在からみた胃上皮下腫瘍の鑑別診断
著者: 入口陽介1
所属機関: 1東京都立がん検診センター
ページ範囲:P.599 - P.600
文献購入ページに移動 従来,非病巣上皮に覆われた腫瘍は,粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)と呼称されてきたが,実際には病巣が粘膜層や粘膜筋板にも存在する場合があり,粘膜下というよりは上皮下と表現するのが適切であることから,上皮下腫瘍(subepithelial tumor/lesion ; SET/SEL)と呼ばれるようになっている.SET/SELという名称が,いつから使用され始めたかあいまいではあるが,2009年にLandiら1)は,“SMTs may arise from deep mucosa to serosa, depending on the histological type. Thus, ‘subepithelial' is perhaps a more appropriate term than ‘submucosal'. Nevertheless, submucosal is still recognised and used”と記述している.
胃SETの多くは無症状であることから,胃X線造影検査や内視鏡検査による検(健)診で発見されることが多く,また腫瘍性病変だけでなく腫瘍様病変も含まれるため,質的診断を行って治療の必要性などを適切に診断することが大切である.これまで胃SETは,X線造影検査では頂部に淡いバリウム陰影斑を伴うSMTと診断されたり(Fig.1),白色光による内視鏡観察では色調変化や萎縮を認めるSMTと診断されたりと,生検で診断できる症例は少なかった.したがって,確定診断のためには,CTや超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography ; EUS),さらに超音波内視鏡下穿刺吸引法(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration ; EUS-FNA)を組み合わせて行うことが必要である2).
胃SETの多くは無症状であることから,胃X線造影検査や内視鏡検査による検(健)診で発見されることが多く,また腫瘍性病変だけでなく腫瘍様病変も含まれるため,質的診断を行って治療の必要性などを適切に診断することが大切である.これまで胃SETは,X線造影検査では頂部に淡いバリウム陰影斑を伴うSMTと診断されたり(Fig.1),白色光による内視鏡観察では色調変化や萎縮を認めるSMTと診断されたりと,生検で診断できる症例は少なかった.したがって,確定診断のためには,CTや超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography ; EUS),さらに超音波内視鏡下穿刺吸引法(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration ; EUS-FNA)を組み合わせて行うことが必要である2).
参考文献
1)Landi B, Palazzo L. The role of endosonography in submucosal tumours. Best Pract Res Clin Gastroenterol 23:679-701, 2009
2)Goto O, Kaise M, Iwakiri K. Advancements in the diagnosis of gastric subepithelial tumors. Gut Liver 16:321-330, 2022
3)八尾建史.胃粘膜におけるNBI併用拡大内視鏡所見の成り立ちと診断体系(VS classification system).胃と腸 46:1279-1285, 2011
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