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文献詳細

雑誌文献

胃と腸58巻5号

2023年05月発行

今月の主題 壁内局在からみた胃上皮下腫瘍の鑑別診断

主題

胃上皮下腫瘍のX線診断

著者: 依光展和1 入口陽介1 小田丈二1 水谷勝2 冨野泰弘1 山里哲郎2 園田隆賀3 金田義弘1 安藤早弥1 岸大輔1 安川佳美1 神谷綾子1 霧生信明1 中河原亜希子1 山村彰彦4 細井董三1

所属機関: 1東京都立がん検診センター消化器内科 2東京都立荏原病院消化器内科 3熊本大学病院消化器内科 4東京都立がん検診センター検査科

ページ範囲:P.611 - P.621

文献概要

要旨●上皮下腫瘍のうち,粘膜固有層または粘膜下層を主座とする症例を提示し,X線診断を中心に検討した.粘膜固有層を主座とする上皮下腫瘍は10mm以内で,丈が低い隆起が多く,X線側面像での指摘は困難であることが多い.しかし,正面像では周囲粘膜と同様の隆起表面にバリウム陰影斑を伴っており,被覆上皮直下への腫瘍の伸展を反映していると考えられた.粘膜下層を主座とする病変でも,腫瘍が被覆上皮直下に伸展すれば同様の所見を呈するが,側面像から主座が粘膜下層であることが推測可能であった.上皮下腫瘍のX線診断においては,側面像から病変の主座を,正面像から上皮下への腫瘍の伸展を推測し,背景粘膜や部位を考慮し診断することが重要である.

参考文献

1)土井偉誉,十林賢児,山田達哉,他.胃粘膜下腫瘍のX線診断.胃と腸 1:919-929, 1966
2)浜田勉,加治文也,窪田久,他.胃粘膜下腫瘍のX線診断—拾い上げ診断を中心に.胃と腸 24:979-990, 1989
3)浜田勉,近藤健司,北條裕美子,他.消化管粘膜下腫瘍のX線診断—上部消化管.胃と腸 39:413-428, 2004
4)丸山保彦,吉井重人,景岡正信,他.胃粘膜下腫瘍のX線診断.胃と腸 52:1270-1282, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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