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文献詳細

雑誌文献

胃と腸58巻5号

2023年05月発行

文献概要

今月の主題 壁内局在からみた胃上皮下腫瘍の鑑別診断 主題

胃上皮下病変の超音波内視鏡診断

著者: 平澤大1 五十嵐公洋1 赤平純一2 遠藤希之2 名和田義高1 田中一平1 田中由佳里1 伊藤聡司1 松田知己1

所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科 2仙台厚生病院病理診断・臨床検査科

ページ範囲:P.643 - P.651

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要旨●上皮下病変(SEL)のEUS診断では,腫瘤の局在とエコー輝度,エコーパターンで診断を行う.腫瘍性病変は一般的にその起源となる組織が存在する層に腫瘤が形成される.腫瘍様病変も基本的にある一定の層に親和性があるため壁局在がみられる.組織の密度や構造を加味することで腫瘤のエコー輝度やエコーパターンが変化する.これらの局在と超音波所見を理解することで,本体を直接視認できないSELであっても,ある程度診断可能である.本稿では「消化器内視鏡用語集 第5版」で記されている代表的なSELとリンパ腫,胃底腺型胃癌のEUS像に関して概説を行った.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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