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文献詳細

雑誌文献

胃と腸58巻6号

2023年06月発行

文献概要

今月の主題 分類不能腸炎(IBDU)の現状と将来展望 主題症例

IBDUの経過観察中に大腸癌を合併したindeterminate colitisの1例

著者: 梁井俊一1 久米井智1 永塚真1 鳥谷洋右1 上杉憲幸2 菅井有2 八重樫瑞典3 城戸治4 松本主之1

所属機関: 1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科分野 2岩手医科大学医学部病理診断学講座 3岩手医科大学医学部外科学講座 44)岩手県立中央病院消化器内科

ページ範囲:P.815 - P.821

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要旨●患者は70歳代,男性.約11年前に前医で貧血と下痢を主訴に精査を受け,深部大腸のIBDUと診断され,サラゾスルファピリジンの投与を受けていた.今回,下行結腸に2か所の狭窄を指摘され,セカンド・オピニオンを求めて当科を受診した.狭窄に対してバルーン拡張を行い,深部大腸を観察したところ,寛解状態の上行結腸肝彎曲部に2型進行癌が併存していた.腹腔鏡下結腸亜全摘術が施行され,病理組織学的にはICに合併したStage IIbの進行大腸癌と診断された.術後2年間,再発なく経過している.

参考文献

1)厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班).クローン病診断基準.潰瘍性大腸炎・クローン病 診断基準・治療指針.令和4年度分担研究報告書.pp 31-34, 2023
2)Matsui T, Yao T, Sakurai T, et al. Clinical features and pattern of indeterminate colitis:Crohn's disease with ulcerative colitis-like clinical presentation. J Gastroenterol 38:647-655, 2003
3)松本主之,矢田親一朗,城由起彦,他.非定型的潰瘍性大腸炎の診断と経過.胃と腸 41:939-950, 2006
4)平井郁仁,松井敏幸,宮岡正喜,他.Indeterminate colitisの臨床的検討—その定義と頻度,臨床経過について.胃と腸 41:885-900, 2006
5)Henriksen M, Jahnsen J, Lygren I, et al. Change of diagnosis during the first five years after onset of inflammatory bowel disease:results of a prospective follow-up study(the IBSEN Study). Scand J Gastroenterol 41:1037-1043, 2006
6)Branco BC, Harpaz N, Sachar DB, et al. Colorectal carcinoma in indeterminate colitis. Inflamm Bowel Dis 15:1076-1081, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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