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文献詳細

雑誌文献

胃と腸58巻7号

2023年07月発行

文献概要

今月の主題 消化管リンパ増殖性疾患の診断アプローチの基本 主題

消化管リンパ腫の病理診断—その実践的アプローチ

著者: 藤島史喜1 福原規子2 小池智幸3 浅野直喜3 金笑奕3 志賀永嗣3 嶋田奉広4 一迫玲5 鈴木貴1

所属機関: 1東北大学病院病理部 2東北大学病院血液内科 3東北大学病院消化器内科 4仙台市医療センター仙台オープン病院消化管・肝胆膵内科 5東北大学病院造血器病理学共同研究部門

ページ範囲:P.853 - P.861

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要旨●消化管原発リンパ腫は,基本的な診断方法は他部位に発生するリンパ腫と変わりないが,内視鏡下に採取された小さな生検検体で診断を求められることが多い点が他部位との相違点と思われる.多くの施設で日常的にフローサイトメトリーなどの解析を行うことは一般的になっていないが,治療に際しては他の部位に発生するリンパ腫と同様,WHO分類に沿った亜型分類を行うことが必要であり,消化管のリンパ腫診断においても多角的解析を行える体制を準備することが必要である.小さな生検検体であっても,複数個採取することで種々の解析が可能となる症例は多く,極めて有効なツールとなりうることから,正確な診断・適切な治療につなげることが可能となる.

参考文献

1)Alaggio R, Amador C, Anagnostopoulos I, et al. The 5th edition of the World Health Organization Classification of Haematolymphoid Tumours:Lymphoid Neoplasms. Leukemia 36:1720-1748, 2022
2)一迫玲,鈴木律朗,竹内賢吾.悪性リンパ腫診断のための解析—その結果をどう解釈すべきか? 血腫瘍 55:101-111, 2007
3)Fujishima F, Katsushima H, Fukuhara N, et al. Incidence Rate, Subtype Frequency, and Occurrence Site of Malignant Lymphoma in the Gastrointestinal Tract:Population-Based Analysis in Miyagi, Japan. Tohoku J Exp Med 245:159-165, 2018
4)一迫玲.本邦初・悪性リンパ腫疑い症例のための統合診断システム/READsystem—誕生〜現在〜近未来構想.Skin Cancer 37:72-78, 2022
5)嶋田奉広,山形拓,菅野良秀.11年間の内視鏡的経過観察ののち内視鏡的粘膜下層剝離術によって診断し得たH. pylori陰性,MALT1遺伝子転座陽性の胃MALTリンパ腫の1例.日消誌 117:413-420, 2020
6)小野尚子,小野雄司,坂本直哉.胃悪性リンパ腫の診断と治療.日消誌 114:1948-1956, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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