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文献詳細

雑誌文献

胃と腸58巻7号

2023年07月発行

文献概要

今月の主題 消化管リンパ増殖性疾患の診断アプローチの基本 主題症例

食道MALTリンパ腫—診断のポイントを中心に

著者: 小山恒男1 高橋亜紀子1 塩澤哲2

所属機関: 1佐久医療センター内視鏡内科 2佐久医療センター臨床病理部

ページ範囲:P.884 - P.892

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要旨●食道MALTリンパ腫はまれな疾患だが,主座が粘膜下層であるため,SMT様形態を呈する.細胞成分が多いため軟らかく,クッションサイン陽性となる.上皮内へ浸潤すると増殖帯を破壊し,境界不明瞭な陥凹を形成する.組織学的には粘膜下層を主座とする濾胞様構造を呈するため,EUSで粘膜下層を主座とするhypoechoicなリンパ濾胞様腫瘤として描出される.縦走方向に進展すると巨木様形態を呈し,内視鏡で狭窄様に見えるが,軟らかいため自覚症状に乏しい.鑑別診断はleiomyoma,GCT等が挙げられ,MALTリンパ腫は軟らかく,EUSで濾胞様構造を呈する点で鑑別可能である.確定診断には粘膜下層からの確実な生検が必要である.

参考文献

1)小山恒男,高橋亜紀子,福山知香,他.悪性リンパ腫.胃と腸 54:1428-1433, 2019
2)高橋亜紀子,小山恒男.食道MALTリンパ腫.胃と腸 51:194-196, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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