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文献詳細

雑誌文献

胃と腸59巻11号

2024年11月発行

今月の主題 進行胃癌の診断と治療方針2024

主題

進行胃癌のX線診断体系update

著者: 依光展和1 園田隆賀1 吉永繁高1 岸大輔1 霧生信明1 神谷綾子1 山里哲郎2 冨野泰弘3 水谷勝2 石橋雄次4 小田丈二5 山村彰彦6 入口陽介1

所属機関: 1東京都立がん検診センター消化器内科 2東京都立荏原病院消化器内科 3東中野保健センター 4東京都立多摩総合医療センター外科 5こころとからだの元氣プラザ消化器内科 6東京都立がん検診センター検査科

ページ範囲:P.1644 - P.1654

文献概要

要旨●かつて国民病と言われた胃癌に対し,胃X線検査は検診として死亡率減少効果を示し,診断学を発展させた.近年,画像強調内視鏡を用いた拡大内視鏡診断が発展し,粘膜表層の微細構造から胃癌を正確に診断することが可能となった.しかし胃癌には,粘膜層に存在せず,粘膜下層以深を浸潤する病変が少なからず存在する.胃X線検査では,粘膜下腫瘍様隆起,粘膜ひだ所見,変形などの所見から,粘膜下層以深の胃癌の浸潤範囲を診断することが可能であり,撮影前に描出すべき所見を熟考し,撮影手順を検討することが重要である.内視鏡検査と胃X線検査を組み合わせ,それぞれの長所を生かすことにより,正確な診断から適切な治療を選択することができる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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