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今月の主題 上皮下発育を呈する食道病変の診断 序説
上皮下発育を呈する食道病変の診断
著者: 小山恒男1
所属機関: 1佐久医療センター内視鏡内科
ページ範囲:P.277 - P.278
文献購入ページに移動 「胃と腸」誌ではこれまで,主に食道表在癌の診断を主題として取り上げてきた.食道癌は発赤,陥凹,隆起を呈すが,表在癌では軽微な所見を呈すのみであり,白色光観察による診断は困難であった.しかし,NBI(narrow band imaging)に代表されるIEE(image enhanced endoscopy)の発達に伴い,その内視鏡診断能は大きく向上した1).また,NBI拡大内視鏡(NBI-ME)による日本食道学会拡大内視鏡分類(JES-SCC分類)は,食道扁平上皮癌(squamous cell carcinoma ; SCC)の範囲診断のみならず,深達度診断にも大きく貢献した2).その一方で,上皮下腫瘤を形成する食道癌では,表層は非腫瘍性上皮に覆われていることが多く,その診断はいまだに難しい.
過去の「胃と腸」誌を紐解いてみると,32巻5号(1997年)には「粘膜下腫瘍様の食道表在癌」が特集として組まれ,この特異な形態を示す表在癌の特徴を検討した.さらに40巻3号(2005年)では「特殊組織型の食道癌」を取り上げた.一方,食道には上皮下腫瘤を呈する良性疾患も存在する.そこで,43巻3号(2008年)では「まれな食道良性腫瘍および腫瘍様病変」を取り上げ,非腫瘍性病変までを守備範囲に広げた.その後,48巻3号(2013年)「隆起型食道癌の特徴と鑑別診断」,54巻10号(2019年)「知っておきたい特殊な食道腫瘍・腫瘍様病変」が取り上げられたが,正面から“上皮下発育を呈する食道病変”に取り組むのは久しぶりである.
過去の「胃と腸」誌を紐解いてみると,32巻5号(1997年)には「粘膜下腫瘍様の食道表在癌」が特集として組まれ,この特異な形態を示す表在癌の特徴を検討した.さらに40巻3号(2005年)では「特殊組織型の食道癌」を取り上げた.一方,食道には上皮下腫瘤を呈する良性疾患も存在する.そこで,43巻3号(2008年)では「まれな食道良性腫瘍および腫瘍様病変」を取り上げ,非腫瘍性病変までを守備範囲に広げた.その後,48巻3号(2013年)「隆起型食道癌の特徴と鑑別診断」,54巻10号(2019年)「知っておきたい特殊な食道腫瘍・腫瘍様病変」が取り上げられたが,正面から“上皮下発育を呈する食道病変”に取り組むのは久しぶりである.
参考文献
1)Muto M, Minashi K, Yano T, et al. Early detection of superficial squamous cell carcinoma in the head and neck region and esophagus by narrow band imaging:a multicenter randomized controlled trial. J Clin Oncol 28:1566-1572, 2010
2)Oyama T, Inoue H, Arima M, et al. Prediction of the invasion depth of superficial squamous cell carcinoma based on microvessel morphology:magnifying endoscopic classification of the Japan Esophageal Society. Esophagus 14:105-112, 2017
3)小山恒男,高橋亜紀子,塩澤哲,食道MALTリンパ腫—診断のポイントを中心に.胃と腸 58:884-892, 2023
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