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文献概要
増大号 消化管疾患の分類2024 小腸・大腸 大腸腫瘍
工藤・鶴田分類
著者: 山野泰穂1
所属機関: 1札幌医科大学医学部消化器内科学講座
ページ範囲:P.533 - P.534
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工藤・鶴田分類とは,大腸腫瘍性病変を中心として質的診断に用いられる拡大内視鏡による分類である.大腸粘膜で拡大観察できる腺管の開口部をpitと表現し,それ以外の表面微細構造も含めてpit patternと称している.正常粘膜から癌,ときには深達度も含めた病理組織像に対応してpit patternは異なっており,それらをパターン化したものである.
この分類では5つの型に大きく分類され,さらにその下位に亜分類が付されている(Table 1,典型例の画像).
工藤・鶴田分類とは,大腸腫瘍性病変を中心として質的診断に用いられる拡大内視鏡による分類である.大腸粘膜で拡大観察できる腺管の開口部をpitと表現し,それ以外の表面微細構造も含めてpit patternと称している.正常粘膜から癌,ときには深達度も含めた病理組織像に対応してpit patternは異なっており,それらをパターン化したものである.
この分類では5つの型に大きく分類され,さらにその下位に亜分類が付されている(Table 1,典型例の画像).
参考文献
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