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文献詳細

雑誌文献

胃と腸59巻4号

2024年04月発行

文献概要

増大号 消化管疾患の分類2024 小腸・大腸 粘膜脱症候群

肉眼型分類

著者: 大川清孝12

所属機関: 1大阪市立十三市民病院消化器内科 2淀川キリスト教病院消化器内科

ページ範囲:P.590 - P.591

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定義
 直腸粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome ; MPS)の肉眼型分類であり,①隆起型,②潰瘍型,③平坦型,の3つに分類するのが一般的である.それに加えて混合型や限局性深在性囊胞性大腸炎(colitis cystica profunda ; CCP)を加える分類がある.
 なお,渡辺ら1)は直腸MPSを,①顕在または潜在性の粘膜脱出があり,病理組織学的に表層部粘膜固有層に毛細血管の増生・拡張(内皮細胞は腫大している)と線維芽細胞や筋細胞の増殖を伴い,さらに深層の粘膜固有層に種々の程度の線維筋症を伴うもの,ないし,②臨床的に粘膜脱出の有無が検査されていない場合や粘膜脱出が証明されていない場合でも,上記の病理組織学的所見がみられるもの,と定義している.

参考文献

1)渡辺英伸,味岡洋一,田口夕美子,他.直腸の粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome)の病理形態学的再検討.胃と腸 22:303-312, 1987
2)Madigan MR, Morson BC. Solitary ulcer of the rectum. Gut 10:871-881, 1969
3)Rutter KR, Riddell RH. The solitary ulcer syndrome of the rectum. Clin Gastroenterol 4:505-530, 1975
4)du Boulay CE, Fairbrother J, Isaacson PG. Mucosal prolapse syndrome-a unifying concept for solitary ulcer syndrome and related disorders. J Clin Pathol 36:1264-1268, 1983
5)太田玉紀,味岡洋一,渡辺英伸.直腸の粘膜脱症候群—病理の立場から.胃と腸 25:1301-1311, 1990
6)大川清孝,青木哲哉,上田渉,他.直腸粘膜脱症候群診断のこつ.Gastroenterol Endosc 56:494-503, 2014
7)大川清孝,青木哲哉.粘膜脱症候群—肉眼型分類.胃と腸 54:738-739, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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