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文献詳細

雑誌文献

胃と腸59巻8号

2024年08月発行

文献概要

今月の主題 臨床と病理のマリアージュ 主題

臨床医の考える臨床画像と病理所見の対比—咽頭・食道

著者: 竹内学1 加藤卓2 小関洋平1 味岡洋一2

所属機関: 1長岡赤十字病院消化器内科 2済生会新潟県央基幹病院病理診断科

ページ範囲:P.1108 - P.1121

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要旨●咽頭・食道領域における癌の内視鏡像と病理組織像の対比において大切なことは,臨床医が何を知りたいかである.特に最近ではNBI拡大内視鏡を用いて狭い領域の表面微細構造や血管所見を捉えて診断することが多く,その関心領域の病理組織像を正確に描出することが求められる.そのためには,まず目的をもってきれいな画像を撮影すること,対比を行う際の指標となるメルクマールを見いだすことや関心領域を挟む2点マーキング法を活用することが重要である.そして切除した病変の適切な貼り付け,固定,画像撮影,固定後の割入れなど切除標本の的確な処理を行うこともポイントである.さらに病理医による正確なマッピングも必要不可欠である.以上のことを一つひとつ丁寧に行い,最終的に内視鏡像と固定標本マッピングとを2点マーキングを初めとしたいろいろな指標をもとに対応させ,最終的に関心領域の病理組織像を知ることで対比は完了する.

参考文献

1)白壁彦夫,八巻悟郎,丸山雅一,他.表在型食道癌肉眼分類の新しい提案—X線診断の立場から.胃と腸 22:1349-1368, 1987
2)渡辺英伸,多田哲也,岩渕三哉,他.病理からみた早期食道癌の定義と肉眼診断.胃と腸 25:1075-1086, 1990
3)長野正裕,望月福治,長南明道,他.食道表在癌のX線学的深達度診断の精度—X線所見と切除標本・病理所見の対比.胃と腸 27:185-195, 1992
4)有馬美和子,都宮美華,石川文隆.拡大内視鏡画像の成り立ち—血管像からみた表在食道病変の成り立ち.胃と腸 53:1271-1279, 2018
5)竹内学,渡辺玄,橋本哲,他.画像所見と病理所見の対比法のコツ:食道—関心領域における2点マーキング法.胃と腸 51:1197-1202, 2016
6)竹内学,加藤卓,高綱将史,他.咽頭表在癌の内視鏡診断—経口内視鏡の立場から.胃と腸 58:1128-1139, 2023
7)竹内学,高綱将史,土井智裕,他.表在型食道扁平上皮癌の拡大観察の基本.消内視鏡 34:1809-1816, 2022
8)日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会(編).消化器内視鏡ハンドブック,改訂第2版.日本メディカルセンター,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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