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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻1号

1971年01月発行

今月の主題 隆起性早期胃癌

主題

ポリープ癌およびポリポイド癌―隆起性早期胃癌の成り立ちについて

著者: 武藤徹一郎1 土地邦和1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.9 - P.18

文献概要

はじめに

 隆起性早期胃癌は良性隆起性病変の悪性化したものであろうか,あるいは,はじめから悪性病変だったのであろうか?この問題に関しての明確な解答は未だ得られていないように思われる.胃ポリープがその癌化の問題で注目されてきたにもかかわらず,文献上での癌化率が66.7%~3.5%2)13)20)と差が著しいのはこのことを物語っているといえよう.

 筆者らは,この問題を病理組織学的に検討するために,次の2つの立場から検索を行なった.

 第1は,後述のようないわゆる腺腫性ポリープを組織学的に詳細に検索して,その中に癌を見出そうという立場である.これにより,厳密な意味での胃ポリープの癌化すなわちポリープ癌を見出すことになり,minimum癌化率が得られると考えられる.

 第2は,悪性ポリープを一定のcriteriaに従い組織学的に検索して,そのうち何%がいわゆる腺腫性ポリープに由来するかを推定するという立場である.criteriaのとり方による差異はあるが,maximum癌化率が得られると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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