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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻1号

1971年01月発行

一頁講座

早期胃癌の肉眼診断 私のメモから―(その4)潰瘍瘢痕癌のみかた

著者: 佐野量造1

所属機関: 1国立がんセンター病理部

ページ範囲:P.28 - P.28

文献概要

1.小さい瘢痕癌―Ⅱcは再生上皮を取巻く溝としてみられること―

 欧米の成書に記載されている,いわゆる潰瘍癌はHauser型の大きな開放性潰瘍の辺縁にみられる癌ばかりですが,小さい瘢痕癌の発見こそ日本のX線胃カメラ診断,生検技術の誇るべき成果であったと思います.

 小さい良性の潰瘍瘢痕は始終みられる胃の病変ですが,この小さい瘢痕の多くは浅いUl-Ⅱの潰瘍が大部分です.Ul-Ⅱの良性潰瘍は胃角附近に少なく,幽門部,胃体部の前後壁に多くみられます.また,大彎の潰瘍の大部分はUl-Ⅱです.また,Ul-Ⅱの潰瘍は多発性潰瘍に多くみられます.さらに,潰瘍を合併している早期胃癌を調べますと,その半数近くがこの浅いUl-Ⅱの潰瘍を伴ったもので,しかも瘢痕癌の状態で見出されております.1個1個の多発性潰瘍の診断もゆるがせはできません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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