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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻1号

1971年01月発行

研究

十二指腸ファイバースコピーの研究―第4報:逆行性胆管造影

著者: 高木国夫1 池田靖洋1 中川安房1 熊倉賢二2 丸山雅一2 高田亮2 竹腰隆男2 金孟和2 奥田邦雄3 藤田卓三3 染矢内記3 江村正也3

所属機関: 1癌研究会付属病院外科 2癌研究会付属病院内科 3久留米大学医学部奥田内科

ページ範囲:P.85 - P.90

文献概要

はじめに

 胆道系のX線検査には静脈性,経皮性ならびに腹腔鏡による胆囊,胆管造影法があって,さらに術中の胆道造影が行なわれている.他方,十二指腸のVater氏乳頭口から逆行性に胆道系を造影する方法は,1965年Rabinovら7)が独自のTubeを考案して,乳頭口にCannulationを行なって膵管および総胆管の造影を報告した.

 1966年藤田,中村ら2)は実験的に犬を用いて,静脈カテーテルを経口的に乳頭口より胆管に挿入して胆囊および胆管系を造影した.さらに,腸ファイバースコープを十二指腸内へ挿入を試みたが不成功であったが,内視鏡の各種条件を改良すれば,逆行性の胆管造影も可能であろうと報告した.1968年に,本邦で十二指腸の内視鏡が検討され4),McCune5)は内視鏡的にVater氏乳頭へのCannulationによる多数例の膵管造影を報告したが,彼らの報告したX線像は明らかな像を示していなかった.1969年には十二指腸専用のファイバースコープ(町田)が試作され,逆行性膵管および胆管造影が検討され始めた6)

 筆者らも8)逆行性膵管および総胆管造影を検討したが,最近,Fiber-duodenoscope(町田)を用いて乳頭口へのCannulationにより,総胆管のみでなく,肝内胆管および胆囊の造影に成功し総胆管結石ならびに胆囊結石を診断しえたので症例報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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