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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻10号

1971年09月発行

文献概要

今月の主題 便秘と下痢 主題

排便の生理学の最近の知見

著者: 中山沃1

所属機関: 1岡山大学医学部第2生理学教室

ページ範囲:P.1257 - P.1266

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はじめに

 排便は,糞便がその貯留所ともいうべきS字状結腸をこえて直腸に入ってきた時に起こる.直腸が糞塊によって伸展されると,直腸の強力な正蠕動が発来し,便を肛門から排出しようとする.他方,直腸の伸展は便意を感じさせ,その結果,外肛門括約筋,肛門挙上筋,腹筋,呼息筋が肛門の開大,腹圧の上昇を起こし,排便を促進する.この排便を起こす機序に結腸および直腸内壁内神経叢が主役を演じ,仙髄排便中枢および高位の中枢(脳幹および大脳辺縁系)がこれを調節していると考えられる.そこでこれらのことについて,これまで得られた当教室の知見を混えながら,排便反射について考察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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