文献詳細
症例
3年5ヵ月経過観察した異型上皮の症例
著者: 崔相羽12 安井昭3 村上忠重3
所属機関: 1早期胃癌検診協会中央診療所 2昭和大学医学部外科 3順天堂大学医学部外科
ページ範囲:P.1297 - P.1302
文献概要
患者:杉○太○ 51歳 男
主訴:なし
家族歴:特記すべき事項なし
既往歴:赤痢(25歳)
現病歴:1966年2月に肝腫大のため某医に於いて全身の検査を行なった結果,胃レ線像に異常所見ありといわれ,精査のため来院した.初診時連続3回レ線検査を行なったが確診が得られず,1966年4月に胃カメラ検査を行なった.その結果,胃体下部の小彎より後壁に小さな平盤状隆起を認めたが良悪性を定めることができぬまま観察することにした.66年11月および67年1月に生検を行ない,第2回目にようやく良性異型上皮を検出した.以後,ほぼ定期的に生検,レ線,内視鏡による経過観察を行なったが,ある時点で生検によりⅡa型早期胃癌(GroupⅣ)と診断されたため,1969年9月1日に胃切除を行なった.
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