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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻11号

1971年10月発行

今月の主題 胃前壁病変の診断

主題

胃前壁病変の内視鏡診断

著者: 田中弘道1 沖田瑛一1 佐久本健1 栗原達郎1 三浦邦彦1

所属機関: 1鳥取大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1419 - P.1424

文献概要

 胃の後壁病変のX線診断に関しては,二重造影法の開発によりほぼ完成されたと言っても過言ではないが,前壁病変に関しては腹臥位二重造影法あるいは圧迫検査によって目ざましい向上をみたとはいえ,技術的な問題も含めて未だに困難が多いことは否めない事実である.これに反して,内視鏡検査では前壁はレンズ面からの良好な観察距離が容易に保たれ,広い視野での観察が可能な部位である.このことから考えても,前壁病変については内視鏡検査が優れた診断能を発揮し,とくに前壁病変の存在診断に関しては極めて能率の良い検査法であることが首肯されるのである.したがって,良好な内視鏡的条件で,すなわち,病変部を十分に伸展させた状態のもとに正面直上方向,ならびに斜方向からの観察が適確な距離で行なわれておりさえすれば,前壁病変の診断に関しては鑑別診断すなわち観察された病変の内視鏡的質診断のみが残された問題として登場するはずである.しかし,実際問題としては,上述した観察あるいは撮影が十分に行なわれていたか否かが重要な問題であり,本稿ではかかる観点から下記の問題点について,前壁病変の内視鏡診断を考察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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