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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻13号

1971年12月発行

今月の主題 Ⅱa+Ⅱc型早期胃癌

主題

Ⅱa+Ⅱc型早期胃癌の綜合診断

著者: 内田隆也1 中島義麿2

所属機関: 1日本医科大学常岡内科 2胃腸科まろ医院(桐生市)

ページ範囲:P.1699 - P.1707

文献概要

 Ⅱa+Ⅱcの診断が特に取上げられた意味を考えると,Ⅱa+ⅡcはⅡaの亜型と考えられると同時に,Ⅱcの深部増殖型とも考えられていて,共にBorrmann Ⅱ型への移行段階の早期癌の形態像として注目されて来ている点がまずあげられる.発見せられたⅡa+Ⅱc病変は多少とも粘膜下浸潤を伴ったものが多く,より小さいものの内に,かつ粘膜内に癌のとどまるうちにより早期に診断されることが望まれる.これらの観点からX線検査,内視鏡検査を駆使しての総合診断の効果が期待されるものである.

 陥凹型と隆起型とにほぼ2大別される早期胃癌の肉眼分類に於いて,Ⅱa+Ⅱc型は時には隆起が目立ち,時には陥凹が目立ち,観察による形状診断の範囲で組織形態像をまで想定することは容易ではない.早期癌を診断する立場にたつものとしてこの病変型の示す意味あいを考え,あくまでも患者の予後を考慮した立場にたって綜合診断を行なう観点についてふれてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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