文献詳細
今月の主題 陥凹性早期胃癌
A.陥凹性早期胃癌の問題点 主題
文献概要
筆者が昭和34年末に胃カメラ検査を行なうようになってから最近までの10年間に,術前に胃内視鏡検査を行ない,病変が内視鏡フィルムに撮影されている早期胃癌症例は101例,113病変である(表1,本稿では重複病変にはふれない).この間の内視鏡診断を振り返ってみると,内視鏡器具,検査方法の進歩にともなって,診断能も向上の一途を辿ったのではあるが,とくに直視下胃生検が術前診断の揚に登場してきてからは,良きにつけ悪しきにつけ内視鏡診断についての考え方ないしは評価に大いなる影響を及ぼし,内視鏡診断の意味づけ,根拠をより明らかにしなければならなくなったのである.他方,早期胃癌症例数の増加により早期胃癌に関する臨床的ないしは臨床病理学的知識が一層普遍化したことと,早期胃癌症例についての経時的推移が明らかにされてきたことなどから,診断内容の面においても大いなる進歩と変遷があったことも周知の通りである.
本稿においては陥凹型早期胃癌について前述した2つの観点から診断内容の変遷と内視鏡診断の問題点を指摘してみたい.
本稿においては陥凹型早期胃癌について前述した2つの観点から診断内容の変遷と内視鏡診断の問題点を指摘してみたい.
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