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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻2号

1971年02月発行

一頁講座

早期胃癌の肉眼診断 私のメモから―(その5)巨大すう襞について

著者: 佐野量造1

所属機関: 1国立がんセンター病理部

ページ範囲:P.184 - P.184

文献概要

1.メネトリエ病(polyadenoma en nappe)―体部粘膜の単純な肥大―

 メネトリエ病は原著によるとpolyadenoma en nappeとpolyadenoma polypeuxに分けております.その後,この疾患の定義について多くの議論がありました.しかし,現在,欧米の成書では,polyadenoma en nappe,つまり体部腺の単純な肥大(giant hypertrophic gastritis,giant hypertrophy of the gastric mucosa)のみに限定してメネトリエ病とよんでいるようです.その特徴は幽門腺が萎縮し,体部腺が肥大して巨大すう襞様となり,その表面は胸回転を思わせるような隆起をきたします.組織学的には体部腺の単純な肥大で,Schindlerによると腺性肥大性胃炎(glandular hypertrophic gastritis)に分類されます.

 果して,これをgastritisとよんで良いかは問題のあるところです.メネトリエ病の大部分の症例は,びまん性に広範な体部腺の肥大をきたしておりますが,甚だまれに局部の体部粘膜が限局性に肥大して隆起し,広基性の隆起性胃癌と間違がわれた例があります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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