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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻2号

1971年02月発行

今月の主題 陥凹性早期胃癌

B.診断困難例の克服 主題

陥凹性早期胃癌診断困難例の克服―FGS生検を中心に

著者: 福地創太郎1 檜山護2 中島哲二3 吉田貞利3 高瀬秀朗4

所属機関: 1虎ノ門病院消化器科 2虎ノ門病院一般外科 3虎ノ門病院放射線診断学科 4ブリジストン東京病院

ページ範囲:P.191 - P.201

文献概要

 最近の早期胃癌診断学の進歩は著しく,径1~2cm以下の小病変の診断も必ずしも困難ではなくなっている.しかし,現在までに確立している早期胃癌の診断規準は,隆起型においては,隆起の形態と表面の性状による鑑別診断であり,陥凹型では,潰瘍の併存の有無に拘らず,Ⅱcを診断することである.隆起型にしても陥凹型にしても定型的なものは,たとえ小さな病変でも診断が容易であるが,非定型的なものでは,肉眼的レベルの診断が必ずしも容易でなく,少なくとも初回の検査では,悪性所見が見逃されたり,診断を確定しえない例もまれではない.

 他方種々の良性病変が早期胃癌と紛らわしい所見を呈することは,実際にはかなり多い.したがってX線ないし内視鏡で発見された病変が良性か悪性かを鑑別する際,癌もしくは良性と診断してほとんど100%誤りないと確信しうる症例の他に,第一に恐らく癌と思われるが,良性の可能性もなしとしない症例.第二にどちらかというと良性と考えられるが,癌の可能性も否定しえないという症例にしばしば遭遇する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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