icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻2号

1971年02月発行

一頁講座

肝癌とαfグロブリン(その2)―Carcinoembryonic proteinsと早期診断の可能性

著者: 平井秀松1

所属機関: 1北海道大学医学部生化学教室

ページ範囲:P.226 - P.226

文献概要

 病理形態学では“細胞の幼若化”とか,“未分化の細胞”といった表現をよく用いる.その細胞達は,失礼な!といっているかも知れぬが,αfの出現はどうもそのような形態学的表現の正しさを生化学的に裏づけたように思う.

 胎児はその生長が極めて早い点で癌とよく比較対照される.事実そのアナロジーを示すような生化学的現象がいくつか見られている.たとえばアルドラーゼ,ヘキソキナーゼ,ピルビン酸キナーゼなど(解糖系に関与する重要な酵素で筋や肝に多い)の酵素には筋肉型と肝型のアイソザイムがあるが,胎児肝には筋肉型が多く,成人肝は肝型である.ところが成人肝細胞が癌化するや筋肉型の酵素が再び現われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら