文献詳細
一頁講座
肝癌とαfグロブリン(その2)―Carcinoembryonic proteinsと早期診断の可能性
著者: 平井秀松1
所属機関: 1北海道大学医学部生化学教室
ページ範囲:P.226 - P.226
文献概要
胎児はその生長が極めて早い点で癌とよく比較対照される.事実そのアナロジーを示すような生化学的現象がいくつか見られている.たとえばアルドラーゼ,ヘキソキナーゼ,ピルビン酸キナーゼなど(解糖系に関与する重要な酵素で筋や肝に多い)の酵素には筋肉型と肝型のアイソザイムがあるが,胎児肝には筋肉型が多く,成人肝は肝型である.ところが成人肝細胞が癌化するや筋肉型の酵素が再び現われる.
掲載誌情報