文献詳細
今月の主題 早期胃癌と紛らわしい病変
主題
早期胃癌と紛らわしい病変のX線,胃カメラ,生検による総合診断
著者: 村島義男1 奥内豊1 三和公明1 須賀俊博1 前田晃2 舟木昭蔵2 奥野利幸2 長谷川紀光2
所属機関: 1札幌厚生病院消化器科 2札幌厚生病院外科
ページ範囲:P.311 - P.321
文献概要
胃疾患の診断の進歩により,最近では微細病変がとらえられるようになった.筆者らの施設でも1cm以下のいわゆる微小胃癌が6例発見されているのは,X線および内視鏡検査の発達を如実に物語るものである.そして,発見された早期癌も従来の定型的なものは勿論だが,切除胃の肉眼所見をみても,これが癌かと一驚する症例も報告されるようになってきている.しかし一方では,術前早期胃癌を疑って手術を行ない良性病変であった例もしばしば報告されている.
今回のテーマは早期胃癌と紛らわしい病変であるが,当院では,癌,もしくはその疑のあるものを優先して手術するわけで,特に胃生検を実施してからこの傾向はかなりつよく,非癌病変の手術例は少ない.
今回は胃生検を実施できたこの5年間の手術例にしぼり,早期胃癌に紛らわしい病変を検討したい.
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