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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻5号

1971年05月発行

今月の主題 症例特集号

症例

Addison-Biermer悪性貧血の胃癌合併例について

著者: 白壁彦夫1 徳弘英生2 平沢康2 西沢護3 武田従信3 松村康一3

所属機関: 1順天堂大学医学部内科 2北里大学医学部臨床検査科 3千葉大学医学部第1内科

ページ範囲:P.579 - P.584

文献概要

 Addison-Biermer悪性貧血(以下悪貧と略)は欧米人に比較し,東洋人にはまれといわれる.入院患者総数に対する悪貧比率をHeilmeyer 0.46%,Friedlander 0.61%というのに対し,本邦では河北0.174~0.02%,美甘0.126%,沖中内科0.06%ときわめて少ない.しかし,悪貧に胃癌がしばしば合併することは定説になっていて,文献上では,動揺はあるにしても,多いもので悪貧例数の約6~15%に胃癌合併を認めているが,日本では,症例報告が散見するに過ぎず,胃癌の多いわが国において,悪貧と胃癌との関連がどうなっているのかは不明といわざるをえない.筆者らは過去15年間に悪貧10例を観察した.そのうち生存を確かめている7例についてみると,悪貧推定発症より1970年1月末までの期間は4年8カ月を最短とし,15年7カ月におよんでいる.これらの症例群のうち,発症より7年6カ月後に早期胃癌を認めた1例を経験したので報告し,あわせて本邦悪貧,胃癌合併例について考察したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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