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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻5号

1971年05月発行

文献概要

今月の主題 症例特集号 症例

胃切除後残胃に生じた胃石による腸閉塞の1例

著者: 矢野雄彦1 勝部吉雄1 伊藤悦男2 谷口遙3

所属機関: 1鳥取大学医学部放射線教室 2鳥取大学医学部第1病理学教室 3鳥取大学医学部第1外科教室

ページ範囲:P.617 - P.619

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 胃石症の報告は,本邦では1912年,永富の65歳男子に発生した報告を初めとして,数多く報告されている.しかし,胃切除後の残胃に胃石が発生したという報告は少ない2)4).その理由として,切除胃では胃幽門輪が食物の通過に関係せず,胃石の生成要因の1つである食物の停滞が起こらないことがあげられている7).しかし,欧米では胃切除後の残胃に胃石が発生し,しかもそれが腸に下降し,腸閉塞の原因となることがあり,胃切除の1つの合併症として注目されている3).わが国では,文献を散見したところでは胃石が胃切除後の合併症としての腸閉塞を惹起したという報告はきわめてすくない6).胃切除後の合併症として,このような胃石による腸閉塞も起り得るということは認識されなければならないと考えられる.以下筆者らの経験した症例のX線診断を中心に述べ,腸閉塞がビルロートⅡ法による切除胃の場合に多い点についてとくに考察してみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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