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Mallory-Weiss症候群と内視鏡検査
著者: 竹本忠良1
所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター
ページ範囲:P.626 - P.626
文献購入ページに移動 Mallory-Weiss症候群(以下M-W症候群)とは,食道胃接合部の粘膜あるいは粘膜下におこった線状の裂目から大量の消化管出血をきたすもので,1929年にボストンの病理学者Malloryと内科医のWeissが連名で11症例(うち4例剖検)を報告したのが最初である.その後,1932年に彼らが6症例(うち2例剖検)を追加した.したがって,彼らの21例で確実に裂目が確認できたものは6例だけということになり,それらの死因は1例が食道破裂,5例が大出血によるものであった.確認された症例が少ないからといっても彼らの功績はたいへん大きい.
しかしこの症候群も最初の論文発表から約25年間も報告例がなく,1940年代に発表された消化管出血の統計的研究の数々をみてもまったく言及されていない.1952年頃からM-W症候群の報告が次第に増しているが,M-W病変の確認は剖検と手術によるものが多く,それも最近では,手術で確認した例が増している.本症候群の存在が広く認識されだしたためであろう.
しかしこの症候群も最初の論文発表から約25年間も報告例がなく,1940年代に発表された消化管出血の統計的研究の数々をみてもまったく言及されていない.1952年頃からM-W症候群の報告が次第に増しているが,M-W病変の確認は剖検と手術によるものが多く,それも最近では,手術で確認した例が増している.本症候群の存在が広く認識されだしたためであろう.
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