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文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻7号

1971年06月発行

文献概要

話題

膵臓病の比較的新しい診断法―(4)検査法の適応と手順

著者: 石井兼央1

所属機関: 1国立がんセンター,血清部,内科

ページ範囲:P.862 - P.862

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 膵臓病診断のための比較的新らしい検査法には,いままで述べたもののほかにもいろいろな方法がある(表1).低緊張十二指腸造影は膵頭部周辺の変化を,わりあい簡単に観察できるという点での長所がある.腹部回転横断・腹部正面・腹部側面断層撮影は腫瘍陰影をとらえることができると診断上での意義は大きい.経皮経肝胆管造影,腹腔鏡下胆嚢造影は総胆管閉塞部位の診断にたいへん有用である.最近さかんになりつつある十二指腸ファイバースコープによる乳頭部の内視鏡的観察,ファイバースコープを利用する逆行性膵管,胆管造影さらには膵液の直接採取,生検などは現状では安全性,確実性で完全に確立した方式には到っていないと思うが,いままで直接的に検査をできなかった膵臓の小さな病変の診断を可能にしてくれそうな希望を与えてくれた.

 とり残されてきた感のある膵臓病の診断法も,最近10年間にようやく緒についてきたといえるだろう.だが膵臓病の検査法はいずれもたいへん高価な機械を必要としたり,手数と時間がかかったりするために綜合病院では実施可能であっても,実地医家にとっては検査ができにくい.また1つ1つの検査法にしてもそれだけのデータから確実に膵臓の病変を診断できにくいことが多いために,実際にはいくつかの検査を行ない綜合的に判断する必要があるので,今後の焦点はより簡単に,より確実により患者に苦痛を与えない検査法の開発になるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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