icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸6巻7号

1971年06月発行

文献概要

一頁講座

終末回腸リンパ濾胞の内視鏡像

著者: 竹本忠良1 長廻紘1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.904 - P.904

文献購入ページに移動
 終末回腸は胃腸管のなかでも咽頭部,虫垂とならんでリンパ組織の豊富なところである.Minnesota大学の内科教授であったAlvarezの有名なIntroduction to Gastroenterology1)で終末回腸のリンパ組織について述べている所に,「このリンパ組織はおそらく便が液状であり良好な培養基となる終末回腸において,微生物の侵入から人体を護るためにここ(終末回腸)に配置されているのだろう」と書いたように多分生体防禦機構としての意味がおおきいと思う.また終末回腸は孤立リンパ濾胞と並んで,リンパ濾胞が癒合したパイエル板が分在することは周知のところである.

 最近,結腸のファイバースコープの進歩,挿入技術の向上によって終末回腸の内視鏡検査が次第に盛んに行なわれるようになりつつある.ファイバー結腸鏡では,約5割位の率で終末回腸にスコープを挿入できるようになっているし,腸ヒモ誘導式(平塚法)によれば9割以上ということである.しかし,患者にあたえる苦痛は他の消化管ファイバースコープに比べるとまだまだ一桁も二桁も上のように思われ,この点さらに努力を要するところである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?