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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻1号

1972年01月発行

今月の主題 Ⅱb型早期胃癌

主題

Ⅱb型早期胃癌のX線診断

著者: 熊倉賢二1 丸山雅一1 杉山憲義1 高田亮1 落合英朔1 竹腰隆男1 植田紘一1 山瀬裕彦1 山脇忠晴1 高木国夫2 中村恭一3

所属機関: 1癌研究会附属病院内科 2癌研究会附属病院外科 3癌研究会附属病院病理科

ページ範囲:P.21 - P.36

文献概要

 近年,臨床的に診断されて手術された早期胃癌の症例数が急増するに伴い,Ⅱc(またはⅡa)とするのには,あまりにも凹凸の差が軽微であり,X線で現わすのにも非常に骨が折れるといった症例がかなり集ってきた.そこで,私どもは,これらの症例を純粋のⅡbと判定するのには躊躇するが,Ⅱbに準じた表現,例えばⅡb様病変として取扱った方が現実にそうのではないかといった考えから,昭和43年10月の第6回日本内視鏡学会秋季大会(松本)に「ⅡbのX線診断の可能性について」と題して報告した.が,果して,佐野量造先生をはじめとする諸先生から批判を受けた.供覧した症例はⅡbではなくてⅡcであるというのが主要点であったと思う.当然のことである.しかし,その後,早期胃癌研究会などに提出される症例などをみていると,Ⅱbと判定された症例も,私どもの集めた症例と大同小異のようである.

 一方,癌研病理の中村恭一は,エネルギッシュに胃の切除標本を,詳細に,検索して,5mm以下の微小胃癌を多数集めていた.そこで,昭和42年の夏に,X線および内視鏡のフィルムと病理の資料を持ち寄り,微小胃癌がX線および内視鏡フィルムにどのように現われるものかretrospectiveに検討してみた.この成績は,芳しいものではなかったが,昭和43年の7月の胃癌研究会(仙台),および,昭和44年4月の放射線学会総会(米子)で発表した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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