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胃粘膜表面のAH法実体顕微鏡観察―(5)Ⅱb型早期胃癌
著者: 吉井隆博1
所属機関: 1日本医科大学病理学教室
ページ範囲:P.88 - P.88
文献購入ページに移動 純粋のⅡbは稀であるが,ⅡcやⅡaなどに随伴して現れるⅡbは稀ではない.しかし,その肉眼診断や範囲の判定は非常に困難で,それらの内視鏡診断,肉眼診断法の開発が急がれている,このAH法の大きな目的の一つは,実はこのⅡb診断の開発にあるのである.Ⅱc(本シリーズ第3回目),Ⅱa(第4回目)で既に述べたように癌粘膜の特徴は,正常胃小窩模様(FP),胃小溝模様(SP)の異常な乱れ,不明瞭化,消失,胃粘膜のヘマトキシリンに対する染色性の不規則化,不染化,異状な大小不同,不正形の類絨毛(Villoid)状凹凸の出現などが主な所見である.しかし,これらの変化のうちⅡcに現れやすいもの,ⅡaやⅠに現れやすい所見に多少差がある.異常に大きい不正形の類絨毛状の凹凸やポリープ状の凹凸はⅠやⅡaに現れやすいもので,Ⅱbに現れることはまずないが,その他の変化は何れもⅡbに現れる.実例を供覧する.
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