icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻10号

1972年10月発行

文献概要

今月の主題 食道炎と食道静脈瘤 主題

逆流性食道炎の内視鏡診断

著者: 遠藤光夫1 鈴木博孝1 鈴木茂1 牧遭1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター外科

ページ範囲:P.1305 - P.1311

文献購入ページに移動
 非特異性食道炎については種々の病因が考えられているが,胃液をはじめ消化液の食道内への逆流によってひきおこされる逆流性食道炎が最も屡屡経験される.下部食道から噴門にかけて,様々の食道内への逆流防止機構が考えれている.例えば食道下端における輪状筋の収縮が括約筋様作用をもつとか,噴門部の斜走筋の収縮で胃が吊り上げられ,噴門が閉鎖されるとか,His角,噴門の胃粘膜ひだによる弁作用とか,横隔膜のPinchcock様作用であるとかである.

 このような生理機構が不全であったり破壊されたとき,逆流性食道炎がおこりやすいのであるが,われわれは外科的立場より,手術操作のためにこれらの機構がこわされておこる食道再建術後の逆流性食道炎について,主に内視鏡的な面より検討を加えてみる.食道炎の診断基準についてはまちまちであり,その方法論からも問題のあるところであるが,内視鏡所見について一つの診断基準を考えてのべてみるつもりである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?