文献詳細
文献概要
症例
Ⅱc+Ⅱb型早期胃癌症例
著者: 斎藤光正1 五十嵐勤1 村井隆夫1 内海幹郎1 安斎幸夫1 神尾義彦1 児玉健夫1 角田俊平1 荒井清一1 遠藤智子1 鈴木伸一1 森藤隆夫1 五ノ井哲朗1
所属機関: 1福島県立医科大学第2内科
ページ範囲:P.1351 - P.1356
文献購入ページに移動患 者:I. U. 47歳,女.
主 訴:心窩部痛.
X線検査:46年3月4日.
内視鏡検査:46年3月5日.
手 術:46年3月14日.
X線所見
充満像:図1の立位充満像で胃角が開いているのがわかる.そして,胃角から幽門前庭部にかけて,小彎辺縁の約2cmの範囲に,伸展不良と微細な凹凸を示す壁不整の所見がある.さらに,その小彎をつくっている線にバリウムの濃淡の差がみられる.辺縁に近くなるにつれてバリウムがうすくなっている,という所見である.図2,3は胃角の連続撮影像の一部である.胃角から幽門前庭部にかけての小彎辺縁にとげ状の微細な凹凸がみられ,やはり伸展不良と壁不整の状態は変っていない.これは病変自体の側面像で,粘膜面の凹凸を示す所見であり,浅いニッシェの概念を適応できるものであると考えられる.
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