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食道静脈瘤の補助的診断法
著者: 多田正大1 川井啓市1
所属機関: 1京都府立医科大学第3内科
ページ範囲:P.1362 - P.1362
文献購入ページに移動 上部消化管出血の原因の一つでもある食道静脈瘤の破裂は,比較的稀ではあるが,前駆症状も少く,急激に重篤な状態に陥りやすく,臨床家にとって重要な消化器疾患の一つである.したがって,食道静脈瘤の存在を無症候の時期にさかのぼって把握しておくことが,出血源の早期発見のためにも大切である.
食道静脈瘤の原因は,門脈圧亢進であることは言うまでもないが,我々が日常よく経験する主な疾患は,肝硬変,Banti症候群,Budd-Chiari症候群,肝外性門脈閉塞症などが挙げられる.我々の観察した114例のこれらの患者のうち,食道静脈瘤は55例(48.2%)の多くに見られ,吐下血の危険の予知,吐血防止のための外科的処置の適応の決定のためには,食道静脈瘤の正確な診断はきわめて重要である.
食道静脈瘤の原因は,門脈圧亢進であることは言うまでもないが,我々が日常よく経験する主な疾患は,肝硬変,Banti症候群,Budd-Chiari症候群,肝外性門脈閉塞症などが挙げられる.我々の観察した114例のこれらの患者のうち,食道静脈瘤は55例(48.2%)の多くに見られ,吐下血の危険の予知,吐血防止のための外科的処置の適応の決定のためには,食道静脈瘤の正確な診断はきわめて重要である.
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