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胃体部の変形について(1)―特に多発潰瘍および線状潰瘍における小彎の変形について
著者: 政信太郎1
所属機関: 1鹿児島大学医学部佐藤内科
ページ範囲:P.1384 - P.1384
文献購入ページに移動 胃体部後壁の単発潰瘍と思って切除してみたら対称性潰瘍であったり,単発潰瘍と思ったのが線状潰瘍や多発潰瘍であったりすることは日常よく経験することである.現在のすぐれたX線検査をもってしても,5mm以下の潰瘍や潰瘍瘢痕,短い線状潰瘍の診断率は決して満足すべきものではない.特に,短い線状潰瘍や多発潰瘍における潰瘍の一つ一つをニッシェとしてあらわすには,ある程度の技術を要し,直接症状のみで潰瘍を診断するやり方にはおのずから限界があるといえる.胃角の線状潰瘍の場合でも,小彎の短縮および囊状胃が目安となり,線状潰瘍を疑って検査してはじめてニッシェを証明できるのであり,間接症状の手がかりなしに最初からニッシェを証明することは不可能に近い.同じように多発潰瘍や短い線状潰瘍の場合も,目安となる変形があり,しかもその変形の形をみて潰瘍がどのような配列で大体どのあたりにあるかが予想できれば,ニッシェの発見も容易になるであろう.そこで,われわれは多発潰瘍や短い線状潰瘍の目安となる変形を追求してみた.
対象として多発潰瘍症例の中から,最もsimpleな型である2コの潰瘍からなる症例を用いた.この2コの潰瘍を結ぶ線を配列線と呼ぶことにする.また,線状潰瘍に関しては切除標本を肉眼的にみて線状を呈しているものとした.
対象として多発潰瘍症例の中から,最もsimpleな型である2コの潰瘍からなる症例を用いた.この2コの潰瘍を結ぶ線を配列線と呼ぶことにする.また,線状潰瘍に関しては切除標本を肉眼的にみて線状を呈しているものとした.
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