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今月の主題 十二指腸乳頭部病変 主題 十二指腸乳頭部病変症例
乳頭部の良悪性境界病変
著者: 福本圭志1 鹿岳研1 三崎文夫2
所属機関: 1京都第一日赤病院第3内科 2京都府立医科大学第3内科
ページ範囲:P.1504 - P.1506
文献購入ページに移動昭和45年8月,疝痛発作あり,救急病院に入院し,総胆管結石の診断にて手術を施行された.しかし,術後も時に38℃~39℃の発熱があり本院に紹介される.
入院時検査成績では,便潜血陽性,軽度貧血,GOT,GPT,Al-phの軽度上昇を認めた.胃十二指腸X線検査(図1,2)では乳頭部に一致して腫瘤陰影を認め,PTC(図3)では乳頭部の腫大と,総胆管の拡張,その末端の硬化狭小化を認め,これに続く乳頭内での造影剤の不規則な流れがとらえられた.内視鏡像(図4,5)で,乳頭部は粘膜面に多数の小白斑と1個の発赤した結節を有し,全体として著明な腫大を示した.生検を試みたが鉗子レバーの故障により目標組織の採取ができず,確診は得られなかったが,この結節部の所見を重視し,X線所見と合わせて乳頭部癌と診断した.
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