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症例
レ線追跡調査により発見された表層拡大型早期食道癌の1例
著者: 山下忠義1 中谷正史1 多淵芳樹1 稲積恒雄1 川口勝徳1 高階正博1 伊藤悟1 藤田忠雄1 石川羊男1 伊藤信義1
所属機関: 1神戸大医学部学第1外科
ページ範囲:P.1517 - P.1523
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患 者:K. Y. 68歳,♂ ボイラーマン.
家族歴:既往歴ともに特記すべきことなし.
嗜好品:酒1日約2合,煙草1日約20本.
主 訴:えん下障害.
現病歴:昭和45年11月頃より,水を飲んだり,食事をした時に胸骨後部でしみる感じがした.その後症状は持続し,昭和46年初め頃よりえん下障害が加わってきた.某医で同年3月31日食道胃レ線透視をうけたが,異常所見はないといわれた.しかし依然としてその愁訴は持続したので,8月31日再度の食道透視をうけたが,やはり異常を指摘されなかった.9月1日3回目の透視の結果,中部食道の不整陰影を指摘されて本院内科を紹介され,再度にわたる食道精査をうけたが,何らそれをうらづけるものは指摘されなかった.しかし,その後も水を飲んだり,食事をした時にかえってえん下障害が増強し,10月2日および11月9日の透視の結果,最後に中部食道の異常所見を再指摘され,精査の目的で当科へ紹介されてきた.
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