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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻12号

1972年12月発行

文献概要

今月の主題 腸の潰瘍性病変 主題

腸の潰瘍性病変に関する新しい提案―所謂“非特異性多発性小腸潰瘍症”を中心として

著者: 八尾恒良1 淵上忠彦1 崎村正弘2 岡部治弥3

所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2福岡県宗像郡崎村病院 3北里大学医学部内科

ページ範囲:P.1615 - P.1619

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 “非特異性多発性小腸潰瘍症”は,1966年岡部1)らが,「非特異性原発性小腸潰瘍症の3例」として報告したのを嚆矢とする.その後崎村らと共に症例を重ね2),1970年には“非特異性多発性小腸潰瘍症”として,本症の6例について詳細な臨床的病理学的検討を加え,特に限局性腸炎との異同を中心に詳述している3)

 即ち,本症は,臨床的には主として若年者を侵し,腸管からの長年月に亘る潜・顕出血,高度の続発性貧血を主症状とする.病理学的には回腸中~下部の浅い多発性潰瘍または潰瘍瘢痕の形成を主病像とし,限局性腸炎の特徴的所見とされる異常に強い結合織の増殖や,granulomaはみられない.その組織反応の差は,限局性腸炎を“ulcerative proliferative process”と呼べば,本症は“ulcerative non-proliferative process”とでも呼ぶべき疾患であろうと述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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