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今月の主題 腸の潰瘍性病変 主題
腸の潰瘍性病変に関する新しい提案―所謂“非特異性多発性小腸潰瘍症”を中心として
著者: 八尾恒良1 淵上忠彦1 崎村正弘2 岡部治弥3
所属機関: 1九州大学医学部第2内科 2福岡県宗像郡崎村病院 3北里大学医学部内科
ページ範囲:P.1615 - P.1619
文献購入ページに移動即ち,本症は,臨床的には主として若年者を侵し,腸管からの長年月に亘る潜・顕出血,高度の続発性貧血を主症状とする.病理学的には回腸中~下部の浅い多発性潰瘍または潰瘍瘢痕の形成を主病像とし,限局性腸炎の特徴的所見とされる異常に強い結合織の増殖や,granulomaはみられない.その組織反応の差は,限局性腸炎を“ulcerative proliferative process”と呼べば,本症は“ulcerative non-proliferative process”とでも呼ぶべき疾患であろうと述べている.
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