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文献詳細

雑誌文献

胃と腸7巻12号

1972年12月発行

研究

大腸疾患の内視鏡像―(2)潰瘍性大腸炎

著者: 長廻紘1 饒熾奇1 生沢啓芳1 矢沢知海1 竹本忠良1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター

ページ範囲:P.1671 - P.1678

文献概要

 潰瘍性大腸炎が文献にみられるようになったのは19世紀も後半になってからである.最初の報告としてよく引用されるのはWilks1)の論文である.さらにさかのぼって探そうとして諸種の論文が挙げてあるが,現在でも未解決の点の多い疾患であるので不備な古い論文からあまり確実なことはいえないと思う.いずれにしてもそう古くない疾患であるといえる.しかし潰瘍性大腸炎は,現在では,少くとも欧米においては最もポピュラーな大腸疾患の一つである.日本においても戦後漸増し,大腸の感染症が減少した今日では,下血をきたす患者において癌,ポリープと並んで先ず考慮すべき疾患となっている.消化器病センターでも過去約2年半の間に,ファイバースコープで観察した症例だけに限っても34例に達している.今後益々増えることが予想される.この論文では内視鏡像と生検組織に重点をおいて,潰瘍性大腸炎について述べる.

材料

 昭和44年10月から,昭和47年5月までの2年7カ月間に,ファイバースコープ(FCSおよびFSS)で観察した潰瘍性大腸炎は34例,延べ検査回数は94回である(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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